マンション管理組合の会計 完全解説|管理費・修繕積立金の区分経理・収支報告書【管業・マン管対策】

会計書類・収支報告書・マンション管理のイメージ

情報基準日:2026年4月1日(標準管理規約 最新改訂版)

目次

管理組合の会計の基本

マンション管理組合の会計は、区分所有者から徴収した管理費と修繕積立金を厳格に区分して管理することが求められます。国土交通省のマンション標準管理規約(以下「標準管理規約」)は管理組合会計の基本的な枠組みを示しており、多くのマンションがこれを参考にした管理規約を採用しています。

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管理費と修繕積立金の区分

項目管理費修繕積立金
目的日常的な管理・運営費用将来の大規模修繕・特別修繕の費用
使途例清掃費・エレベーター保守・共用電気代・管理委託費外壁塗装・屋上防水・配管更新・給水設備更新
積立方式発生主義(毎月徴収・当月費用に充当)積立方式(長期修繕計画に基づき積立て)
相互流用原則禁止(管理費から修繕積立金への流用禁止)原則禁止(修繕積立金から管理費への流用禁止)

【重要】標準管理規約第28条:修繕積立金は管理費と区分して経理しなければならない。管理費が不足しても修繕積立金を流用することは原則できない。

会計の種類(標準管理規約)

標準管理規約では管理組合の会計を次の2つに区分します。

  • 一般会計(管理費会計):管理費を財源とする日常的な収支
  • 修繕積立金会計:修繕積立金を財源とする大規模修繕等のための収支

それぞれについて収支予算案を毎期作成し総会で決議し、収支決算書を作成して総会で報告する義務があります(標準管理規約第58条・第59条)。

管理費会計と修繕積立金会計の区分経理図解
Photo by Osmany M Leyva Aldana on Unsplash

会計書類の種類と内容

書類名内容作成主体・時期
収支予算書翌期の収入・支出計画理事会が案作成→総会の普通決議で承認
収支決算書当期の収入・支出の実績理事会が作成→総会に報告・承認
貸借対照表期末時点の資産・負債・正味財産期末に作成
財産目録組合が管理する財産の一覧標準管理規約では作成を推奨

会計担当理事の役割

標準管理規約第39条により、会計担当理事は管理費等の徴収・保管・運用・支出の実務を担います。管理会社に委託している場合でも、理事会・総会への報告義務は組合側が負います。

管理費等の徴収と滞納対応

管理費・修繕積立金の滞納は管理組合運営における深刻な問題です。区分所有法第7条は管理費等の先取特権(一般先取特権)を認めており、滞納者の財産に対して優先的に弁済を受けることができます。

また、滞納管理費等の支払義務は特定承継人(区分所有権の買受人)にも引き継がれます(区分所有法第8条)。売買による新所有者も前所有者の滞納分を負担します。

管理費等の改定手続き

管理費・修繕積立金の額の変更は管理規約の変更ではなく総会の普通決議で行うことができます(標準管理規約では規約に別段の定めを置くことが一般的)。ただし修繕積立金の大幅な増額は区分所有者の生活に影響するため、長期修繕計画の見直しとセットで総会に諮ることが重要です。

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管業・マン管試験 頻出論点まとめ

論点正しい知識
管理費と修繕積立金の流用原則禁止(相互流用不可)
収支予算の承認総会の普通決議
修繕積立金の先取特権区分所有法7条(一般先取特権として認められる)
滞納管理費と特定承継人買受人も承継(区分所有法8条)
管理費の改定管理規約変更(特別決議)ではなく総会普通決議で可
区分経理の根拠標準管理規約第28条

まとめ

管理組合の会計は「管理費と修繕積立金を混同しない・流用しない」が基本原則です。試験では収支予算・決算の決議方法、滞納管理費の先取特権・特定承継人への承継が繰り返し出題されます。標準管理規約の該当条文(第28条・第58条・第59条)を確認しておきましょう。


この記事の監修:ゆうぜん

不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)
現場実務の知見と、e-Gov(法令検索)国土交通省RETIO(不動産適正取引推進機構)の公的データベースに基づき、最新かつ正確な情報発信に努めています。

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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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