宅建業法の手付金保全措置:保全が必要な条件・保全の方法と売主業者の規制

※本記事の情報基準日:2026年4月

目次

手付金保全措置とは

手付金保全措置とは、宅建業者(売主)が買主から受け取った手付金等を、万一売主が倒産した場合でも買主が返還を受けられるよう保全する制度です。宅地建物取引業法第41条・第41条の2に規定されています。

手付金保全措置が必要な条件

保全措置が必要になるのは、宅建業者が売主(業者間取引は除く)の場合に限られます。買主が宅建業者である業者間取引には適用されません。

物件の種類保全措置が必要な手付金等の金額
未完成物件(工事完了前)代金の5%超 または 1,000万円超
完成物件(工事完了後)代金の10%超 または 1,000万円超

この金額以下の手付金等であれば、保全措置は不要です。ただし、保全措置なしで受け取れる手付金の上限は代金の20%(宅建業法第39条)です。

保全の方法(3種類)

  • ①銀行等による保証(保証委託契約):銀行・信用金庫等が手付金の返還を保証する方法。未完成物件・完成物件の両方に使える
  • ②保険事業者による保証保険(保証保険契約):保険会社が保証する方法。未完成物件・完成物件の両方に使える
  • ③指定保管機関による保管(完成物件のみ):宅建業者保証協会等が手付金を保管する方法。完成物件にのみ使用可能

宅建試験の頻出ひっかけポイント

  • 保全措置が必要な閾値:未完成物件「5%超 または 1,000万円超」、完成物件「10%超 または 1,000万円超」→「以上」ではなく「超」
  • 保全措置なしで受け取れる上限:代金の20%(2割)まで(宅建業法第39条の手付金の額の制限)
  • 指定保管機関:完成物件のみ利用可能。未完成物件には使えない
  • 業者間取引:売主も買主も宅建業者の場合、保全措置の規定は適用されない

手付金と手付解除の関係

  • 手付解除(解約手付):相手方が契約の履行に着手する前であれば、買主は手付金を放棄して、売主は手付金の倍額を返還して解除できる
  • 宅建業法上の制限:宅建業者が売主の場合、手付金の額は代金の20%を超えてはならない。また、手付を受領した後に一定の事由がなければ解約手付の定めを変更できない
  • 保全措置と手付解除は別の制度。保全措置は「業者倒産時の返還保証」であり、手付解除は「当事者間の契約解除権」

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【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。

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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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