📅 情報基準日:2026年4月12日
民法第369条以下に規定される抵当権と根抵当権は、不動産担保融資における最重要制度です。住宅ローンや事業融資の場面で必ず登場し、宅建試験でも頻出のテーマです。
抵当権と根抵当権の基本比較
| 比較項目 | 抵当権 | 根抵当権 |
|---|---|---|
| 担保する債権 | 特定の債権(例:住宅ローン○○万円) | 一定範囲の不特定債権(極度額まで) |
| 付従性 | あり(被担保債権が消滅→抵当権も消滅) | なし(確定前は個別債権の消滅で消えない) |
| 随伴性 | あり(債権譲渡で抵当権も移転) | なし(確定前は債権譲渡しても根抵当権は移転しない) |
| 利息の担保 | 最後の2年分のみ | 極度額の範囲内で全額担保 |
| 主な利用場面 | 住宅ローン・特定の借入 | 事業融資・継続的取引(銀行の当座貸越等) |
抵当権の詳細
設定と登記
抵当権は不動産登記をすることで第三者に対抗できます(不動産登記法に基づく登記)。登記事項には債権額・利息・損害金・債務者・抵当権者が記録されます。
抵当権の順位
同一不動産に複数の抵当権が設定された場合、登記の先後で順位が決まります。競売の際には1番抵当権者から優先的に配当を受けます。
- 第1順位抵当権者 → 最優先で弁済を受ける
- 第2順位以降 → 残額から弁済(足りない場合は一般債権者と同順位)
法定地上権
土地と建物に同一人が所有している場合に抵当権が設定され、競売によって土地と建物の所有者が異なることになったとき、建物のために法定地上権が成立します(民法第388条)。
根抵当権の詳細
極度額
根抵当権では担保する債権の上限額(極度額)を登記します。被担保債権の合計が増えても減っても、極度額の範囲内で担保されます。
根抵当権の確定
根抵当権は「確定」することで被担保債権の範囲が特定されます。確定後は抵当権と同様の性質(付従性・随伴性)が生じます。確定事由としては:
- 確定期日の到来
- 根抵当権者または債務者の破産手続開始決定
- 不動産競売・差押えの申立て
- 確定請求(設定後3年経過後に各当事者から可能)
よくある質問(FAQ)
Q. 住宅ローンを完済すると抵当権は自動的に消えますか?
A. 被担保債権(住宅ローン)の消滅により、付従性によって抵当権自体も消滅します。ただし登記簿上の抵当権の記録は残るため、抵当権抹消登記を申請して抹消する必要があります。
Q. 根抵当権は住宅ローンに使われますか?
A. 住宅ローンには通常の抵当権が使われます。根抵当権は主に事業者向け融資(当座貸越・手形割引等の継続的取引)で利用されます。
Q. 抵当権の「後順位抵当権者」とは?
A. 同一不動産に複数の抵当権が設定された場合、第2番目以降の抵当権者を後順位抵当権者といいます。競売の配当は登記順位に従うため、後順位抵当権者は1番抵当権者への配当後の残額から弁済を受けます。

まとめ・ポイント整理
- 抵当権は特定債権を担保・付従性・随伴性あり
- 根抵当権は不特定債権を極度額まで担保・確定前は付従性・随伴性なし
- 複数の抵当権は登記の先後で順位が決まる
- 住宅ローン完済後は抵当権抹消登記が必要
- 根抵当権は確定後に普通抵当権と同様の性質を持つ
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