宅建業法の重要事項説明(35条書面)完全解説:説明義務・記載事項・電子化への対応

※本記事の情報基準日:2026年4月

目次

重要事項説明(35条書面)とは

重要事項説明(35条書面)は、宅地建物取引業法第35条に規定された宅建業者の重要な法的義務です。不動産の売買・交換・賃貸借の契約を締結する前に、宅地建物取引士(宅建士)が買主・借主に対して書面を交付し、対面で説明しなければなりません。

項目内容
義務者宅地建物取引業者(売主・賃貸人側でも媒介業者でも義務あり)
説明者宅地建物取引士(宅建士)が宅建士証を提示して説明
説明の相手方買主・借主(売主・貸主には不要)
タイミング契約締結前(口頭の重説後に契約書面へ)
違反の罰則業務停止処分・指示処分・罰金(最大100万円)

35条書面の記載事項(売買の場合)

  • 物件の基本情報:所在地・面積・構造・地目(土地の場合)・建物の種類・用途
  • 登記されている権利:所有権以外の権利(抵当権・地上権・地役権等)の内容
  • 法令上の制限:用途地域・建ぺい率・容積率・防火地域・農地法等の規制
  • 私道に関する負担:私道の整備負担の有無・内容
  • 飲用水・電気・ガス等の供給施設:整備状況・未整備の場合の整備見通し
  • 工事完了時の形状・構造(未完成物件の場合)
  • 管理費・修繕積立金(マンションの場合)
  • 瑕疵担保責任(契約不適合責任)の内容
  • ハザードマップの洪水・崖崩れ等のリスク(2020年改正で義務化)
  • 石綿使用調査記録・耐震診断の内容(存在する場合)

賃貸借契約の35条書面との違い

売買と賃貸借では35条書面の記載事項が異なります。賃貸借では以下の項目が追加・変更になります。

  • 賃料・共益費・敷金・礼金の金額と支払い方法
  • 貸借の期間(定期借家か普通借家か)
  • 契約更新・解約の条件
  • 用途・用法の制限(ペット・楽器等の禁止事項)
  • 定期借家契約の場合は特約の内容

重要事項説明の電子化(IT重説)への対応

2022年5月から、宅建業法改正により重要事項説明書(35条書面)の電子化(電磁的方法による提供)が全面解禁されました。

  • IT重説(テレビ会議による重説):2017年の賃貸取引から段階的に解禁。2021年に売買でも本格化
  • 電子書面の要件:相手方の承諾が必要。電子署名(宅建士の認証)が必要。書面に記載された内容が改ざんされないよう措置が必要
  • 宅建士証の提示:IT重説では画面越しに宅建士証を提示し、相手方が確認できること
  • 電子化できないケース:相手方が電子書面を受け取れない環境にある場合は、紙の書面を交付する義務がある

宅建試験での出題ポイント

  • 35条書面の説明者は「宅建士」に限定(重要!)。説明義務を負うのは「宅建業者」
  • 37条書面(契約書面)との違い:35条書面=契約前の説明。37条書面=契約締結後に交付
  • 35条書面に宅建士の記名は必要(押印は2022年廃止)
  • 売主側の業者は買主に対して説明義務を負わない(買主側業者が説明する)という点が頻出のひっかけ

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【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。

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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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