※本記事の情報基準日:2026年4月
目次
不動産の相続は相続税の最大の課題
相続財産の多くを不動産が占める日本では、「不動産は相続できたが現金がなくて相続税を払えない」というケースが問題になります。宅建士として相続に絡む不動産取引を多く経験してきた立場から、不動産の相続税計算と納税準備の基本を解説します。
相続税の基本:基礎控除を超えると課税
基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)
相続財産の合計(不動産の評価額+預貯金+有価証券等)が基礎控除を超えた場合のみ相続税がかかります。
例:法定相続人が配偶者+子2人の場合 → 基礎控除 = 3,000万円 +(600万円 × 3人)= 4,800万円

不動産の相続税評価額の計算
土地の評価:路線価方式または倍率方式
- 路線価方式:路線価(国税庁が毎年公表)× 地積 × 補正率(形状・角地等)。市街地の土地に適用
- 倍率方式:固定資産税評価額 × 倍率。路線価が設定されていない地域に適用
- 土地の相続税評価額は一般に時価の70〜80%程度になることが多い
建物の評価:固定資産税評価額
建物(家屋)の相続税評価額は固定資産税評価額と同額です。時価よりかなり低い評価額になることが多いです。
小規模宅地等の特例(最重要)
被相続人の自宅や事業用の土地を相続する場合、一定の要件のもとで土地の相続税評価額を最大80%減額できます。
| 区分 | 限度面積 | 減額割合 | 主な要件 |
|---|---|---|---|
| 特定居住用宅地(自宅) | 330㎡ | 80% | 配偶者・同居親族等が相続 |
| 特定事業用宅地 | 400㎡ | 80% | 事業を継続する相続人が相続 |
| 貸付事業用宅地(賃貸物件) | 200㎡ | 50% | 賃貸経営を継続する相続人が相続 |
相続税の申告期限と納付方法
- 申告・納付期限:相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内(例:1月1日死亡なら11月1日まで)
- 期限内の申告が絶対条件:期限を過ぎると無申告加算税(最大15〜20%)・延滞税が課される
- 納付方法:原則一括現金納付。困難な場合は「延納」(分割払い)または「物納」(不動産等で納付)が可能
納税資金の準備策
- 生命保険の活用:死亡保険金は「500万円 × 法定相続人数」まで非課税。相続税の財源として機能する
- 不動産の売却:相続した不動産の一部を売却して現金化する。売却には時間がかかるため早めに動く
- 相続前からの贈与:生前贈与で相続財産を減らしておく(年110万円以内の基礎控除活用)

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【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。

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