※本記事の情報基準日:2026年4月
目次
なぜマンションの建替えは難しいのか
老朽化したマンションを建て替えることは、区分所有者全員にとっての重大事です。新しいマンションに住み続けられる喜びがある一方、費用の捻出・仮住まい・生活の変化など多くのハードルがあります。区分所有法は建替え決議に厳格な要件を設けており、全国でも実現に至るケースは多くありません。
建替え決議の要件
建替え決議は区分所有法第62条に基づき、区分所有者および議決権の各5分の4以上の賛成が必要です(2026年改正で一定要件を満たす場合は緩和の方向)。
- 集会(総会)の決議で行う
- 集会の2ヶ月前までに「建替え決議を会議の目的とする旨」を通知
- 決議内容に「新建物の設計の概要・費用の概算額・費用の負担割合・新建物の区分所有権の帰属に関する事項」を含める必要がある

建替え決議後の手続き
- 参加の催告:決議から2ヶ月以内に反対した区分所有者に対し「建替えに参加するか否か」を回答するよう催告する(回答期間は催告から2ヶ月以内)
- 売渡し請求:参加しない区分所有者に対し、区分所有権・敷地利用権を時価で売り渡すよう請求できる(建替え合意者が行使)
- マンション建替え円滑化法の活用:建替え組合を設立し、権利変換手続きにより法的に整理された形で建替えを推進できる
費用の問題
- 建替え費用は1戸あたり1,000万〜3,000万円以上が必要なケースも多い
- 容積率に余裕がある場合は、増えた住戸を販売した収益で建替え費用を賄える(等価交換方式)
- 容積率に余裕がない場合は区分所有者の実費負担が必要になり、合意形成が困難になる
反対者への対応
- 建替え決議後に参加を拒否した区分所有者は「売渡し請求」の対象になる
- 売渡し請求の価格は「時価」。当事者間で合意できない場合は裁判所が決める
- 反対者が多く5分の4の賛成が集まらない場合、建替えは否決される
試験での頻出ポイント
- 「5分の4以上」は区分所有法の中で最も厳しい決議要件(特別決議は4分の3以上)
- 「売渡し請求は時価」「2ヶ月以内の催告」などの数字・手続きを整理する
- 2026年改正による要件緩和の方向性も試験で問われる可能性がある
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【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。

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