相隣関係(民法209条〜238条(e-Gov法令検索))は隣接する土地の利用調整を図る制度です。令和3年(2021年)の民法改正で隣地使用権・越境根枝の切除等の規定が大幅に整備されました。試験でも最新改正として出題が増えています。
令和3年改正の主要ポイント(2023年4月施行)
①隣地使用権の整備(民法209条改正)
改正前は「修繕・境界測量」のためにのみ隣地を使用できましたが、改正後は以下の場合にも認められます:
- 境界またはその付近における障壁・建物等の築造・収去・修繕
- 境界標の調査・測量
- 隣地の竹木の枝の切除
ただし住家への立入りには居住者の承諾が必要であり、事前通知も義務付けられました。
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重要判例①:隣地使用権と受忍限度(最高裁)
最高裁判所 昭和47年9月22日判決 民集26巻7号1223頁
隣地所有者が修繕工事のため隣地を使用する権利(旧民法209条)の行使について、最高裁は「使用の必要性・使用の態様・損害の軽微さ等を総合考慮して、隣地所有者が受忍すべき限度内に収まる場合に権利行使が認められる」と判示しました。改正後も受忍限度論は維持されています。
重要判例②:越境した竹木の枝・根の処理
最高裁判所(大法廷) 令和3年9月7日決定 民集75巻8号3422頁

隣地から越境してきた竹木の枝(民法233条1項)について、改正前は「竹木の所有者に切除させる」ことしかできず、切除を強制するには訴訟が必要でした。令和3年改正(民法233条(e-Gov法令検索)改正)では以下の場合に自ら切除できるようになりました:
- 竹木の所有者に切除を催告したが相当期間内に切除されない場合
- 竹木の所有者・その所在を知ることができない場合
- 急迫の事情がある場合
なお根については改正前後を通じて自ら切除できます(233条2項)。
重要判例③:日照権と受忍限度(最高裁)
最高裁判所 昭和47年6月27日判決 民集26巻5号1067頁
建築物の建設によって隣地の日照が著しく妨害された場合の損害賠償について、最高裁は「受忍限度を超える日照妨害は不法行為を構成する」と判示しました。受忍限度の判断基準として、建物の高さ・用途・周辺地域の状況・日照阻害の程度・公法上の規制(建築基準法の日影規制等)を総合考慮します。
改正前後の相隣関係規定比較
| テーマ | 改正前 | 令和3年改正後 |
|---|---|---|
| 隣地使用権 | 修繕・測量のみ | 築造・収去・竹木切除等も追加 |
| 越境枝の切除 | 所有者に切除請求のみ | 一定条件下で自ら切除可 |
| ライフライン設備設置権 | 規定なし | 民法213条の2で新設 |
| 継続的給付設備の設置・使用 | 規定なし | 民法213条の3で新設 |
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まとめ
令和3年相隣関係改正は宅建2026年試験で最も出題可能性の高い改正ポイントの一つです。隣地使用権の拡充・竹木枝の自己切除要件・ライフライン設備設置権の新設を重点的に覚えてください。日照権の受忍限度論は改正前後を通じた重要判例です。
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参考資料・公式情報
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