共有に関する判例は宅建・マンション管理士の双方で頻繁に出題されます。「誰の同意で何ができるか」という行為の分類と、令和3年民法改正による所在不明共有者への対応が重要なポイントです。
共有の基本(民法249条〜264条(e-Gov法令検索))
共有とは、1つの物を複数人が持分によって共同所有する状態です。共有物に対する行為は3種類に分類されます。

| 行為の種類 | 必要な同意 | 具体例 |
|---|---|---|
| 保存行為 | 各自単独 | 修繕・不法占拠者への明渡請求 |
| 管理行為 | 持分の過半数 | 賃貸借の締結・賃料の決定 |
| 変更行為(重大変更) | 共有者全員 | 売却・建替え・抵当権設定 |
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重要判例①:不法占拠者への明渡請求(最判昭和41年5月19日)
共有物を不法占拠している者に対して、共有者の一人が単独で明渡し請求(保存行為)を行えるかについて、最高裁は自己の持分の範囲で保存行為として明渡し請求できると判示しました。
ただし明渡しを認める判決が確定しても、占有者を全員の利益のために追い出すことになるため、全員のための行為として認められます。
重要判例②:共有持分の処分(最判昭和59年4月5日)
共有者は自己の持分を自由に処分(売却・抵当権設定)できます(民法206条準用)。他の共有者の同意は不要です。ただし持分の処分を受けた者は新たな共有者として関係に入り込むため、実務上は他の共有者との関係が複雑になります。

重要判例③:短期賃貸借と管理行為(最判昭和29年3月12日)
共有地に賃貸借契約(短期)を締結することは管理行為として持分の過半数で行えます。しかし民法602条所定の短期(土地5年・建物3年)を超える賃貸借は変更行為として全員の同意が必要です。
重要判例④:共有物の分割請求(最判昭和62年4月22日)
共有者は原則いつでも共有物の分割を請求できます(民法256条)。5年以内なら不分割の特約も可能です。
分割の方法:
- 現物分割(物理的に分ける)
- 換価分割(売却して代金を分ける)
- 価格賠償(一人が取得し他の者に代償金を支払う)
判例は分割方法は現物分割が原則であり、現物分割が不可能または著しく困難な場合に換価・価格賠償を検討するという立場をとっています。
令和3年民法改正:所在不明共有者への対応
2023年4月施行の改正民法では、所在不明の共有者がいる場合の手続きが整備されました。
- 管理行為:裁判所の決定で所在不明者を除いた持分の過半数で可能
- 変更行為:裁判所の決定で所在不明者の同意を不要にできる
- 持分取得・買取り:一定期間公告後に持分を取得できる新制度
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まとめ
共有の判例で最重要なのは行為の3分類(保存・管理・変更)と必要な同意の人数です。令和3年改正の「所在不明共有者への対応」は2024年以降の試験で出題が増えています。マンション管理士試験では区分所有法との組み合わせ問題も多いため、両方の知識を整理しておきましょう。
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