住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が提供するフラット35は、全期間固定金利の代名詞です。変動金利が主流の現代において、フラット35をあえて選ぶべき人はどんな人か——宅建士が整理します。
目次
フラット35の基本概要
フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する全期間固定金利型住宅ローンです。

- 借入期間:15〜35年
- 借入金額:100万円以上8,000万円以下
- 保証人・保証料:不要
- 繰り上げ返済:一部・全部ともに手数料無料
- 金利(2026年目安):約1.8〜2.2%(民間変動金利0.3〜0.5%と比較して高い)
フラット35のメリット
最大のメリット:返済額が一生変わらない安心感
変動金利では、金利が上昇すると返済額が増える「返済ショック」リスクがあります。フラット35なら35年間同じ返済額なので、長期の資金計画が立てやすいです。
その他のメリット
- 保証料なし:変動金利ローンでは別途保証料(数十万円)がかかる場合があるが、フラット35は不要
- 審査基準が柔軟:自営業者・フリーランス・勤続年数が短い人でも審査に通りやすい
- 団体信用生命保険が任意:健康上の理由で団信に入れない人でも利用可能(ただし保険なしは相続人へのリスク)
フラット35のデメリット
- 金利が高い:現状の変動金利(0.3〜0.5%)と比較して1〜2%高く、長期では総返済額に大きな差が出る
- 物件要件あり:住宅金融支援機構が定める技術基準(床面積・耐久性等)を満たす必要がある
- 金利が下がっても恩恵なし:固定金利なので、将来金利が下がっても恩恵を受けられない
フラット35 vs 変動金利:総返済額シミュレーション
借入:3,000万円 / 35年返済 フラット35(2.0%固定): 月返済額 約99,000円 / 総返済額 約4,162万円 変動金利(0.4%・金利変動なし想定): 月返済額 約76,000円 / 総返済額 約3,193万円 → 差額:約970万円 変動金利(0.4%→10年後2.0%に上昇した場合): 総返済額は増加するが、それでもフラット35より安くなるケースが多い
単純比較では変動金利の方が有利ですが、金利上昇リスクを数値化した上で判断することが重要です。

フラット35が向いている人
- 返済計画の確実性を最重視する人(収入の見通しが不安定・老後も返済が続く)
- 自営業・フリーランスで変動金利ローンの審査が通りにくい人
- 金利上昇リスクを取りたくない人(金利が今後大きく上昇すると予想する場合)
- 健康上の理由で民間銀行の団信に加入できない人
フラット35S(優良住宅取得支援制度)
省エネ・耐震性・バリアフリー等の基準を満たす物件では「フラット35S」が利用でき、一定期間金利が0.25〜0.5%引き下げられます。新築・中古どちらも対象で、基準を満たす場合は積極的に活用しましょう。
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参考資料・公式情報
💡 四冠ホルダーからの一言:宅建試験は「なぜそのルールが存在するのか」という背景理解が合格の近道です。条文の丸暗記より、制度の趣旨を掴むことを意識してください。

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