マンション管理組合の議事録の作り方:法的要件・記載事項・保管期間の完全解説

※本記事の情報基準日:2026年4月

目次

管理組合議事録の法的根拠

マンション管理組合が開催する集会(総会)の議事録は、建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)第42条に規定された法的義務です。管理組合の理事長(議長)は、集会後に遅滞なく議事録を作成しなければなりません。

議事録の記載必須事項

区分所有法・マンション標準管理規約に基づき、以下の事項を記載する必要があります。

記載事項内容
開催日時・場所総会を開いた日時・会場の所在地
出席者数・議決権数出席区分所有者数、委任状・議決権行使書による出席数、議決権総数、定足数の確認
議長氏名原則として理事長が議長を務める(規約で別途定めることも可)
報告事項・議案前期決算報告、各議案の内容
審議経過各議案に対する質疑・意見・回答の要旨
決議結果議案ごとの賛否の数・可否の結果(普通決議・特別決議の区別)
署名者議長・議事録作成者・出席区分所有者2名以上の署名(押印または電子署名)

議事録作成の手順(総会終了後〜完成まで)

  • STEP1:録音・速記メモを整理する:総会中に発言内容を速記または録音しておく。録音は参加者への告知が望ましい
  • STEP2:草案を作成する:総会終了後1〜2週間以内を目安に草案を作成する。理事全員で内容を確認し、発言内容が正確に反映されているかチェックする
  • STEP3:議長・作成者・区分所有者2名に署名を依頼する:標準管理規約に基づき、議長・議事録作成者に加え、2名以上の区分所有者の署名が必要
  • STEP4:区分所有者への配布・掲示:作成後は全区分所有者に配布または掲示板への掲示を行う(規約の定めによる)

議事録の保管・閲覧請求への対応

議事録は5年間保管する義務があります(マンション標準管理規約第49条)。管理組合の事務所(または管理事務室)に保管し、区分所有者・利害関係人からの閲覧請求には正当な理由なく応じなければなりません。

  • 閲覧請求者:区分所有者・抵当権者・マンション購入を検討している人(利害関係人)など
  • 閲覧方法:原本の閲覧(コピーは別途規約で定める)
  • 閲覧拒否:正当な理由なく閲覧を拒否した場合、20万円以下の過料(区分所有法第71条)

電子議事録(電子化)への対応

近年、管理組合でも電子化が進んでいます。電子署名を利用した電子議事録も有効ですが、区分所有法上は「書面または電磁的記録による保管」が認められています。

  • 電子署名(電子証明書付き)があれば押印不要
  • 電子データでの保管はクラウドストレージ等でもよいが、長期間の保存保証とアクセス管理が重要
  • オンライン総会(ウェブ会議)を実施した場合は、接続方法・参加者の確認方法も議事録に記載する

議事録に関するよくあるトラブルと対策

  • 「発言内容が違う」と区分所有者から抗議:録音・速記メモを根拠として説明する。次回の総会で訂正動議を提出してもらう
  • 署名者が見つからない:事前に総会の案内で「署名協力者を募集する」旨を告知しておく
  • 前の議事録が紛失している:作成当時の関係者に確認し、再作成(復元)を試みる。原本が存在しない場合は法的な問題が生じる可能性がある

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【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。

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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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