不動産売買の手付金:解約手付・証約手付・違約手付の違いと宅建業法の規制

※本記事の情報基準日:2026年4月

目次

手付金とは何か

手付金とは、不動産売買契約を締結する際に買主が売主に対して支払う金銭です。一般的には売買代金の5〜10%程度が手付金として授受されます。手付金には法的に3つの性質があり、不動産実務・宅建試験でも頻出の重要テーマです。

手付金の3種類

種類内容法的根拠
証約手付契約成立の証として交付される手付。契約が成立したことを証明する一般的な商慣習
解約手付(最重要)買主は手付金を放棄することで、売主は手付金の倍額を返還することで、契約を解除できる民法第557条
違約手付契約に違反した場合のペナルティとして没収される当事者間の特約

解約手付(民法第557条)の詳細

不動産売買で最もよく使われる手付の性質です。

  • 買主が解除する場合:支払った手付金を「放棄」して契約を解除できる(手付流し)
  • 売主が解除する場合:受け取った手付金の「倍額を返還」して契約を解除できる(手付倍返し)
  • 解除できる時期の制限:相手方が「契約の履行に着手した後」は解約手付による解除はできない

「履行の着手」とは何か(試験頻出)

「契約の履行に着手」した後は解約手付による解除ができなくなります。何が「着手」にあたるかが試験・実務でよく問題になります。

  • 買主の履行着手例:残代金の準備・ローンの申込み・登記に必要な書類の準備
  • 売主の履行着手例:建物の解体・引越しの開始・土地の測量
  • 「手付金の交付だけ」では着手にあたらない(最高裁判例)

宅建業法の手付金規制(自ら売主の場合)

宅建業者が自ら売主として宅建業者でない買主と取引する場合は特別な規制があります。

  • 手付金の額の制限:代金の20%を超える手付金は受け取れない(宅建業法第39条)
  • 手付金等の保全措置:完成物件で代金の10%超・未完成物件で5%超の手付金等を受け取る前に保全措置が必要
  • 宅建業法では手付は「解約手付」とみなされる(民法より買主に有利)

試験の頻出ポイント

  • 「手付の性質は別段の合意がなければ解約手付とみなされる」(民法557条)
  • 「相手方が履行に着手した後は手付解除不可」← 着手の具体例は判例で覚える
  • 「宅建業者が自ら売主の場合、手付は代金の20%まで」← 数字を正確に覚える

📚 合格への最短ルートを探している方へ

私が合格時に頼ったLECの講座なら、法改正のポイントも漏れなくカバーできます。
→ LEC東京リーガルマインドの講座・資料請求はこちら


【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

コメント

コメントする

目次