相続した不動産の売却方法【2026年版】相続登記義務化・空き家3000万円控除を宅建士が解説

相続した不動産の売却方法【2026年版】相続登記義務化・空き家3000万円控除を宅建士が解説

📅 情報基準日:2026年4月17日

親から不動産を相続した場合、売却前に「相続登記」「税金の特例」「取得費の引き継ぎ」など相続特有の手続きを理解しておく必要があります。宅建士が実務的に解説します。

目次

売却前に必須:相続登記(2024年4月〜義務化)

不動産登記法76条の2により、2024年4月1日から相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料の対象になります。

相続した不動産の売却方法【2026年版】相続登記義務化・空き家3000万円控除を宅建士が解説

未登記のまま売却はできません。売却前に相続登記を完了させることが大前提です。

相続登記の手順(概略)

  1. 被相続人の戸籍謄本(出生〜死亡)・相続人の戸籍謄本を収集
  2. 遺産分割協議書を作成(相続人全員の実印・印鑑証明書が必要)
  3. 法務局(管轄登記所)に相続登記を申請

費用は登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)+司法書士費用(5〜15万円程度)。

相続した不動産の取得費:被相続人の購入価格を引き継ぐ

相続で取得した不動産の取得費は「被相続人が購入した時の取得費」を引き継ぎます(所得税法60条)。これは売却時の譲渡所得計算に使います。

例:被相続人が昭和50年に500万円で取得した土地を
  現在2,000万円で売却した場合:

  取得費:500万円(被相続人の購入価格を引き継ぐ)
  譲渡所得:2,000万 - 500万 - 60万(諸費用)= 1,440万円
  税金:1,440万 × 20.315% ≈ 292万円

※取得費書類がない場合:売却価格の5%(100万円)が概算取得費
  → 税負担がさらに増える

被相続人の購入時書類(売買契約書・領収書)を必ず探してください。見つかるかどうかで税負担が大きく変わります。

空き家の3,000万円特別控除(相続版)

相続した空き家を売却する場合に使える特別控除です(租税特別措置法35条の3)。

相続した不動産の売却方法【2026年版】相続登記義務化・空き家3000万円控除を宅建士が解説 解説

主な要件

  • 相続開始直前まで被相続人が一人で居住していた(要介護認定で老人ホーム入居中の場合も一定条件で対象)
  • 1981年(昭和56年)5月31日以前建築の建物(旧耐震基準)が原則必要。ただし2024年改正で新耐震も一部対象に
  • 売却価格が1億円以下
  • 相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却
  • 耐震改修を行うか、取り壊して更地にした上で売却

控除額

最大3,000万円の控除
2024年改正:相続人が複数いる場合は一人2,000万円が上限

例:1,500万円の譲渡所得 → 3,000万円控除で課税ゼロ

この特例には3年以内の売却が絶対条件です。ぐずぐずしていると期限が過ぎます。

共有相続の場合の売却方法

兄弟姉妹で共有相続した場合、売却には共有者全員の同意が必要です(民法252条・264条)。一人でも反対すると売却できません。

共有者間で意見が合わない場合は「共有物分割請求訴訟」という手段もありますが、時間・費用がかかります。早期に遺産分割協議で所有者を一本化することをお勧めします。

よくある質問(FAQ)

Q. 相続登記前に売買契約を結んでも良い?

A. 売買契約の締結は可能ですが、所有権移転(引渡し)は相続登記完了後でないとできません。

Q. 空き家特例の「3年以内」はいつから?

A. 相続開始日(被相続人の死亡日)から3年を経過する年の12月31日が期限です。例えば2024年1月に相続した場合、2026年12月31日までに売却が必要です。

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この記事の監修:ゆうぜん

不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)
現場実務の知見と、e-Gov(法令検索)国土交通省RETIOの公的データに基づき情報発信しています。

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本記事は執筆時点の法令・公的データに基づき作成していますが、正確性・完全性を保証するものではありません。最終判断は必ず公的機関の最新情報をご確認ください。


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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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