📅 情報基準日:2026年4月17日
不動産を売却して利益が出た場合に課される譲渡所得税。正しく理解して特例を活用することで、税負担を大幅に減らせます。宅建士が計算式から確定申告まで解説します。
譲渡所得の計算式
譲渡所得 = 譲渡収入金額 −(取得費 + 譲渡費用)
取得費:購入代金 + 購入時の諸費用(仲介手数料・登記費用・印紙税等)
+ リフォーム費用(資本的支出)- 建物の減価償却費
譲渡費用:売却時の仲介手数料・印紙税・測量費・解体費等
※取得費が不明の場合:売却価格の5%を概算取得費として使用可
(所得税法施行令126条)
税率:保有期間で大きく異なる
| 区分 | 判定基準 | 税率(所得税+住民税) |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 売却年1月1日時点で保有5年以下 | 39.63%(所得税30%+住民税9%+復興特別税0.63%) |
| 長期譲渡所得 | 売却年1月1日時点で保有5年超 | 20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別税0.315%) |
| 長期・軽減税率 | 保有10年超のマイホーム(6,000万円以下部分) | 14.21%(所得税10%+住民税4%+復興特別税0.21%) |
注意:「5年超かどうか」は取得日から5年ではなく、売却した年の1月1日時点での保有年数で判定します。

居住用財産の3,000万円特別控除(租税特別措置法35条)
マイホーム(居住用財産)を売却する場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる最強の特例です。

主な適用要件
- 売却する不動産が自分の居住用(マイホーム)であること
- 住まなくなった日から3年が経過する年の12月31日までに売却すること
- 売却年の前年・前々年にこの特例を使っていないこと
- 売主・買主が親族(配偶者・直系血族・生計同一親族)でないこと
例:取得費1,500万円のマイホームを4,000万円で売却(長期保有) 譲渡所得 = 4,000万 - 1,500万 - 130万(諸費用)= 2,370万円 3,000万円控除後:2,370万 - 2,370万 = 0円 → 課税所得ゼロ・税金なし
所有10年超マイホームの軽減税率特例
3,000万円控除と併用できます(租税特別措置法31条の3)。売却益が3,000万円を超える場合に特に有効です。
6,000万円以下部分:14.21%(通常の長期20.315%より有利) 6,000万円超部分:20.315% 例:取得費1,000万円のマイホームを7,000万円で売却(保有15年) 譲渡所得 = 7,000万 - 1,000万 - 200万 = 5,800万円 3,000万控除後:2,800万円 税額 = 2,800万円 × 14.21% ≈ 397万円 (通常の長期税率だと:2,800万 × 20.315% ≈ 568万円)
確定申告の必要性
3,000万円控除を適用する場合でも、利益がゼロになっても確定申告は必要です。申告しないと特例が適用されません。翌年2月16日〜3月15日に確定申告を行いましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 取得費の証明書類がない場合は?
A. 購入時の売買契約書・領収書がない場合は概算取得費(売却価格の5%)を使います。取得費が明らかに5%より多い場合は、関係書類(通帳・登記簿等)で可能な限り実額を証明してください。
Q. 売却で損失が出た場合は税金がかかる?
A. 損失(譲渡損失)は原則として他の所得と通算できませんが、マイホームを売って新たにマイホームを購入した場合は「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の繰越控除」(租税特別措置法41条の5)が使えます。
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