建物買取請求権をめぐる判例|借地権消滅時の建物処理・時価の算定・拒絶できる場合

Modern building with reflective windows and balconies

📅 情報基準日:2026年4月1日(借地借家法 最新時点)

目次

建物買取請求権の根拠(借地借家法13条)

借地借家法第13条は、借地権が消滅した場合において借地権者が契約の更新を請求しなかったとき、または更新を拒絶されたとき(正当事由あり)に、借地権者は地主に対して時価で建物を買い取るよう請求できると定めています。この権利は形成権(一方的意思表示で効果発生)です。

📚 合格への最短ルートを探している方へ

不動産法令の解釈は非常に複雑で、独学では落とし穴にはまりがちです。最短ルートで正確な知識を身につけるなら、プロの講義を活用するのが結局一番の近道。私が合格時に頼ったLEC東京リーガルマインドの講座なら、法改正のポイントも漏れなくカバーできます。
→ LEC宅建講座の詳細・資料請求はこちら

建物の時価に関する判例

判例①:時価の意義(最高裁昭和35年12月20日)

最高裁判所昭和35年12月20日判決は、「建物買取請求権における時価とは、当該建物の現在地における市場価格(土地の借地権価格を含まない建物単体の取引価格)を指す」と判示しました。土地の価値は含まず、建物の価値のみが対象です。

判例②:朽廃建物と買取請求(最高裁昭和42年6月22日)

最高裁判所昭和42年6月22日判決は、「建物が朽廃に近い状態にあっても買取請求権は行使できるが、時価はほぼゼロになる可能性がある」と判示しました。建物の物理的状態が時価に反映されます。

買取請求拒絶が認められた事例

判例③:借地権者の債務不履行と買取請求権(最高裁昭和50年8月29日)

最高裁判所昭和50年8月29日判決は、「借地権者が地代不払い等の債務不履行を原因として借地権が消滅した場合(解除による消滅)は、借地借家法13条の買取請求権は認められない」と判示しました。更新拒絶による消滅とは区別されます。

判例④:建物が無断建築された場合

東京高等裁判所昭和55年7月14日判決では、建物が借地権の範囲外に無断で建築されたものである場合は、買取請求権の対象にならないと判示されました。

借地・建物外観のイメージ 800×450px
Photo by Markus Winkler on Unsplash

第三者(転借地権者)の買取請求権

借地借家法第14条は、借地権が消滅した場合に転借地権者が地主に建物を買い取るよう請求できると定めています。これは転借地権者が思わぬ不利益を受けないよう保護する規定です。

📚 本気で合格を目指す方へ

本気で合格を掴み取りたいなら、独学に固執せず、実績のある予備校を味方につけるのが得策です。こちらの詳細ページから、自分にぴったりの学習プランを見つけてみてください。
→ LEC宅建講座の詳細・資料請求はこちら

FAQ

Q. 買取請求権を行使したら地主は必ず買わなければなりませんか?

A. 買取請求権は形成権であり、行使と同時に売買契約が成立します(最高裁昭和39年11月24日判決)。地主に拒否権はなく、時価の支払義務が生じます。ただし建物の時価が低い場合は支払額もわずかとなります。

Q. 建物買取請求権を排除する特約は有効ですか?

A. 借地権者に不利な特約として無効になります(借地借家法16条)。ただし一時使用目的の借地(借地借家法25条)では特約による排除が可能です。

Q. 建物買取請求権を行使する期限はありますか?

A. 明文の期限はありませんが、借地権消滅後相当期間内に行使しないと権利の消滅(時効・権利失効の法理)が問題となります。実務では速やかに行使することが推奨されます。

関連記事


この記事の監修:ゆうぜん

不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)
現場実務の知見と、e-Gov(法令検索)国土交通省RETIOの公的データベースに基づき、最新かつ正確な情報発信に努めています。

免責事項

本記事の内容は執筆時点の法令に基づき作成しておりますが、正確性・完全性を保証するものではありません。最終的な判断は必ず公的機関の最新情報をご確認ください。


関連記事

参考資料・公式情報

💡 四冠ホルダーからの一言:宅建試験は「なぜそのルールが存在するのか」という背景理解が合格の近道です。条文の丸暗記より、制度の趣旨を掴むことを意識してください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

コメント

コメントする

目次