借地権・建物買取請求権の行使と価格算定の判例|借地権者の重要な権利と実務上の注意点【2026年版】

📅 情報基準日:2026年5月現在

建物買取請求権とは、借地権が消滅した際に借地権者(借主)が地主(貸主)に対して「建物を時価で買い取れ」と請求できる権利です(借地借家法13条・14条)。借地権者保護の重要な権利であり、特約で排除することができない強行規定です。

目次

建物買取請求権の2つの類型

類型根拠条文発生場面
契約終了時の買取請求権借地借家法13条借地権が消滅(期間満了・地代不払い解除等)した場合
第三者への転売・転貸時の買取請求権借地借家法14条地主が借地権の譲渡・転貸を承諾しなかった場合に裁判所が代わりに許可する場合

建物の「時価」の算定方法と判例

買取価格は「時価」(現在の市場価値)であり、以下の要素が考慮されます:

  • 建物の価格(再調達原価法):同等の建物を新たに建てた場合の費用から経年劣化分を差し引いた金額
  • 借地権価格を含むか否か:建物買取請求権における「時価」に借地権の価値が含まれるかが争点となることがある(最高裁は含まれないとした判例あり)
  • 築年数・維持管理状態:老朽化が著しい建物は低い評価となる

地主が買取りを拒否した場合の対応

建物買取請求権は「形成権」であり、一方的な意思表示で効力が生じます(地主の承諾は不要)。地主が代金の支払いを拒否した場合:

  • 買取請求権行使後は売買契約が成立したことになる
  • 借地権者は代金支払いまで建物の引渡しを拒絶できる(同時履行の抗弁権)
  • 地主が支払わない場合:建物代金支払い請求訴訟を提起し、判決に基づき強制執行

買取請求権が認められない場合

  • 地代不払いによる借地権の解除(借地権者の債務不履行が原因)の場合は買取請求権が認められないとした判例がある
  • 期間内に無断で第三者に転貸した場合(借地権の消滅が借地権者の帰責事由による場合)
  • 建物が存在しない場合(建物の老朽化による取壊し後)

FAQ

Q. 借地の契約期間が満了し、更新を断られました。建てた建物はどうなりますか?

A. 地主からの更新拒絶に正当事由がある場合、借地権は消滅します。この場合、借地権者は借地借家法13条により、地主に対して建物の時価での買取りを請求できます(建物買取請求権)。地主が任意に買取らない場合は訴訟で解決することになります。更新拒絶の正当事由の有無・建物の時価評価については弁護士・不動産鑑定士に相談することをおすすめします。

Q. 借地上の建物を第三者に売却したいのですが、地主が承諾してくれません。どうすれば良いですか?

A. 地主の承諾が得られない場合、借地権者は裁判所に「借地非訟」を申し立て、裁判所の許可(地主の承諾に代わる許可)を得ることができます(借地借家法19条)。裁判所が許可する際に「承諾料」相当額の支払いを条件とすることがあります。弁護士に依頼して借地非訟の申立てを行うことをおすすめします。

🏠 借地権・借家トラブルでお困りの方へ

立退き・更新拒絶・地代交渉など借地権のトラブルは専門家への相談が不可欠です。首都圏対応・相談無料・弁護士・司法書士連携のワンストップサービスをご活用ください。
→ 借地権 無料相談ドットコムで専門家に相談する

📚 不動産の法的知識を体系的に学びたい方へ

判例を読むと法律の実際の働きが見えてきます。宅建資格で体系的な法律知識を習得すれば、トラブル予防から交渉まで自分で判断できるようになります。
→ LEC東京リーガルマインドの宅建講座・資料請求


この記事の監修:ゆうぜん

不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)
現場実務の知見と、e-Gov(法令検索)裁判所(判例検索)RETIOの公的データに基づき情報発信しています。

免責事項

本記事は執筆時点の判例・法令に基づきますが、個別の法的判断は弁護士等の専門家にご相談ください。正確性・完全性を保証するものではありません。


関連記事

参考資料・公式情報

💡 四冠ホルダーからの一言:不動産に関わる法律は頻繁に改正されます。本記事執筆時点の情報をベースに、常に最新の法令・通達を確認する習慣をつけることをおすすめします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

コメント

コメントする

目次