📅 情報基準日:2026年5月現在
物権変動と対抗要件は宅建試験の民法で最も難解かつ頻出のテーマです。「登記がなければ対抗できない」の例外と「登記なしで対抗できる第三者」の区別が合否を分けます。
対抗要件とは何か
民法第177条:「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」
つまり「登記しないと自分の権利を第三者に主張できない」というルールです。ただし「第三者」の範囲に制限があります。

二重譲渡の処理
AがBとCに同じ不動産を二重に売却した場合、先に登記した方が所有権を取得できます(契約の先後ではない)。
| 状況 | 結論 |
|---|---|
| B(先契約)とC(後契約)→Cが先に登記 | Cが所有権取得。Bは登記なしでCに対抗不可 |
| Cが背信的悪意者の場合 | BはCに対して登記なしで対抗可能(例外) |
背信的悪意者とは、単に先の契約を知っているだけでなく、「信義則に反する」ような行為(Aと共謀してBから土地を奪うなど)をした者のことです。
取消し後の第三者(96条3項)
詐欺・強迫で取消した場合に第三者が現れた時の処理:
| 第三者が現れた時期 | 処理 |
|---|---|
| 取消し前に現れた第三者 | 善意無過失の第三者に対抗不可(96条3項) |
| 取消し後に現れた第三者 | 先に登記した方が対抗できる(177条・対抗問題) |

解除後の第三者(545条1項但書)
売買契約解除後に第三者が現れた場合、解除者と第三者は対抗問題として処理します(177条)。先に登記した方が勝つことになります。
ひっかけポイント:「解除前」の第三者は保護される(545条1項但書)が、「解除後」の第三者とは登記の先後で争う。試験では「前」「後」の区別が重要です。
177条の「第三者」に含まれない者
- 当事者およびその包括承継人(相続人等)
- 不法占拠者
- 詐欺・強迫による登記をした者
- 背信的悪意者
FAQ
Q. 「悪意」と「背信的悪意者」はどう違いますか?
A. 「悪意」は単に事実を知っていること(知情)です。先の売買契約を知っていても、それだけでは177条の第三者になれます。一方「背信的悪意者」は知っているだけでなく、信義則に反する行動(妨害目的等)が必要です。
Q. 登記なしで対抗できる場合はどんな場合ですか?
A. ①不法占拠者②背信的悪意者③詐欺・強迫で登記を得た者に対しては、登記なしで自己の権利を主張できます。
まとめ
- 二重譲渡は先に登記した方が勝つ(契約の先後ではない)
- 背信的悪意者には登記なしで対抗可能
- 取消し「前」の善意無過失の第三者は保護、「後」は対抗問題
- 解除「前」の第三者は保護(545条但書)、「後」は対抗問題
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