情報基準日:2026年4月1日
媒介契約とは(売主目線)
媒介契約とは、マンションを売りたい売主が不動産会社(宅建業者)に売却活動を依頼するときに締結する契約です(宅建業法第34条の2)。選ぶ媒介の種類によって、他社への重複依頼の可否・レインズ登録の義務・担当者からの報告頻度が変わります。
3種類の媒介契約の比較(売主目線)
| 項目 | 専属専任媒介 | 専任媒介 | 一般媒介 |
|---|---|---|---|
| 他社への依頼 | ❌ 1社のみ | ❌ 1社のみ | ✅ 複数社OK |
| 自己発見取引 | ❌ 禁止(自分で見つけた買主との直接取引も業者経由が必要) | ✅ 可(直接取引できる) | ✅ 可 |
| 有効期間 | 最大3ヶ月(更新可) | 最大3ヶ月(更新可) | 法定上限なし |
| レインズ登録義務 | 締結から5営業日以内 | 締結から7営業日以内 | 義務なし |
| 活動報告義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 義務なし |
| 売主のメリット | 担当者が集中して動く・頻繁な報告 | 担当者集中+直接取引の自由 | 広く買主を探せる |
| 売主のデメリット | 直接取引できない・囲い込みリスク | 囲い込みリスクあり | 担当者の積極性が薄れる場合あり |
どの媒介契約を選ぶべきか
専任媒介がおすすめなケース
- 担当者に集中して動いてほしいが自己発見取引の自由も確保したい
- 築年数が浅い・人気エリアで売りやすい物件
- 売却経験のない初心者(報告義務で進捗が把握しやすい)
一般媒介がおすすめなケース
- 複数社を競争させて早期売却・高値売却を狙いたい
- 既に買主候補が複数いる場合
- 個人間取引を含む広範な販路を活用したい場合
専属専任媒介は慎重に
自己発見取引が完全に禁止されるため、知人から購入申し込みがあっても業者経由が必要になります。担当者が「囲い込み」(自社で買主も探し両手仲介にするため他社情報を遮断する行為)を行うリスクもあるため、信頼できる業者であることを確認してから契約しましょう。

囲い込み問題とは
「囲い込み」とは、専任・専属専任媒介を受けた業者が、他社から買主を紹介されても「商談中」「売れました」と嘘をついて断り、自社で買主も見つけて両手仲介(売主・買主双方から報酬を受け取る)を狙う行為です。
囲い込みを受けると買主を見つけるまでに時間がかかり、売却期間が延びる・値下げを余儀なくされるリスクがあります。
囲い込みを見抜くポイント
- レインズの登録状況を自分で確認する:専任媒介では業者からレインズ登録証明書が交付される。「公開中」になっているか確認
- 内覧数が少ないのに「他社からの問い合わせはない」と言われる場合は疑う
- 定期報告書に他社からの問い合わせ状況が記載されていない場合は質問する
媒介契約の途中解除
専任・専属専任媒介の有効期間は最大3ヶ月ですが、担当者の対応が不誠実・活動が不十分な場合は期間中でも解除できます(民法の委任契約の解除規定が類推適用)。ただし、業者の費用負担が既に発生している場合は実費相当額の請求を受ける可能性があります。
解除する場合は書面(内容証明郵便)で通知し、鍵・物件資料等を回収することが重要です。
媒介報酬(仲介手数料)の上限
宅建業法の報酬告示により、売主から受け取れる媒介報酬の上限は次のとおりです。
- 売買代金400万円超:売買代金×3%+6万円(+消費税)
- 売買代金200万円超〜400万円以下:売買代金×4%+2万円(+消費税)
上限を超える報酬の請求は宅建業法違反です。成約前の広告費・調査費等の名目で費用を請求することも原則できません(依頼者の特別な依頼による費用は除く)。
まとめ
売主にとって媒介契約の選択は「担当者1社への集中(専任)か複数社展開(一般)か」の判断です。信頼できる担当者が見つかれば専任媒介で手厚いサポートを受け、見つからなければ一般媒介で複数社を競わせる戦略が有効です。いずれにせよレインズ登録の確認と定期報告書のチェックで担当者の活動を監視することが大切です。
免責事項
本記事の内容は、執筆時点の法令および公的データに基づき作成しておりますが、正確性・完全性を保証するものではありません。最終的な判断は必ず公的機関の最新情報をご確認ください。
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