宅建 民法「抵当権」深掘り攻略【2026年版】|法定地上権・一括競売・根抵当権の要件を徹底解説

📅 情報基準日:2026年5月現在

抵当権の基礎は多くの受験生が押さえていますが、法定地上権・一括競売・根抵当権は「少し難しい」として後回しにされがちです。しかしこの3テーマは宅建試験で頻出の得点源です。丁寧に整理しましょう。

目次

法定地上権の4要件(民法388条)

抵当権が実行されて土地と建物の所有者が別々になった場合、建物が存続できなくなります。これを防ぐため法律が自動的に地上権を設定する制度が法定地上権です。

要件内容
①抵当権設定時に建物が存在更地に抵当権を設定した後に建てた建物には法定地上権不成立
②抵当権設定時に土地と建物が同一人所有設定時に別人所有なら法定地上権不成立
③土地または建物の一方または双方に抵当権設定どちらか一方への設定でも成立する
④競売の結果、土地と建物の所有者が異なる者になった同一人が両方落札すれば法定地上権は不成立

試験頻出パターン:建物の建替えと法定地上権

抵当権設定後に建物が取り壊され新築された場合、判例は旧建物を基準として法定地上権の成否を判断します。つまり設定時に建物があれば、その後建替えがあっても法定地上権は成立します。

抵当権・不動産担保書類のイメージ real estate contract documents paperwork legal

一括競売(民法389条)

更地に抵当権を設定した後に建物が建てられた場合、抵当権者は土地と建物を一括して競売にかけることができます。ただし建物の売却代金には優先弁済権がない点が重要です。

  • 一括競売は抵当権者の権利(義務ではない)
  • 建物の売却代金:一般債権者と同順位(優先弁済なし)
  • 土地の売却代金:抵当権者が優先弁済を受ける

根抵当権(民法398条の2〜22)

根抵当権は「一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度で担保する抵当権」です。企業の継続的な取引に使われます。

比較項目普通抵当権根抵当権
担保する債権特定の債権一定範囲の不特定・継続的な債権
付従性あり(主債権消滅→抵当権消滅)なし(元本確定前は主債権消滅しても存続)
随伴性あり(債権譲渡→抵当権も移転)なし(元本確定前は債権を譲渡しても根抵当権は移転しない)
極度額なし必須(登記事項)
元本確定概念なし確定後は普通抵当権と同様に機能
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第三取得者の保護:抵当権消滅請求

抵当権が設定された不動産を購入した第三取得者は、抵当権者に対して抵当権消滅請求(民法379条)ができます。第三取得者が相当な金額を提供して抵当権者が承諾すれば抵当権が消滅します。

なお主債務者・保証人・これらの承継人は抵当権消滅請求をすることができません。

ひっかけ注意ポイント

  • ❌「更地に抵当権設定後に建物を建てれば法定地上権が成立する」→ ✅ 設定時に建物が存在しないため法定地上権は不成立
  • ❌「一括競売では建物の売却代金にも優先弁済権がある」→ ✅ 建物の代金への優先弁済権はない
  • ❌「根抵当権は主債権が消滅すれば消滅する」→ ✅ 元本確定前は付従性がないため主債権消滅でも消滅しない
  • ❌「保証人も抵当権消滅請求ができる」→ ✅ 主債務者・保証人はできない。第三取得者のみ可能

よくある質問(FAQ)

Q. 法定地上権の地代はどうやって決まりますか?

A. 当事者の協議で決まります。協議が整わない場合は裁判所が定めます(民法388条後段)。

Q. 抵当権設定後に土地が分筆された場合、法定地上権はどうなりますか?

A. 分筆後、建物の存在する土地部分についてのみ法定地上権が成立します。建物の存在しない分筆部分の土地には法定地上権は成立しません(判例)。

Q. 根抵当権の元本確定とは何ですか?

A. 根抵当権が担保する債権の範囲を確定させることです。元本確定後は新たな債権を担保しなくなり、普通抵当権と同様の性質になります。確定事由には①確定期日の到来②確定請求③競売申立て等があります。

まとめ

  • 法定地上権の4要件:①設定時に建物存在②同一人所有③一方または双方に設定④競売で別人所有に
  • 一括競売:更地設定後の建物も競売可。ただし建物代金への優先弁済権なし
  • 根抵当権:元本確定前は付従性・随伴性なし。極度額の登記が必須
  • 抵当権消滅請求:第三取得者のみ可(主債務者・保証人は不可)

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この記事の監修:ゆうぜん

不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)
現場実務の知見と、e-Gov(法令検索)国土交通省RETIOの公的データに基づき情報発信しています。

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本記事は執筆時点の法令・データに基づきますが、正確性・完全性を保証するものではありません。最終判断は必ず公的機関の最新情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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