📅 情報基準日:2026年5月現在
共有は「一つの物を複数人が持分で所有する状態」です。宅建試験では変更・管理・処分の決議要件が頻出です。また2023年民法改正で所有者不明土地問題への対応として共有制度が大幅に整備されました。
共有の基本:行為の種類と必要な同意
| 行為の種類 | 必要な同意 | 具体例 |
|---|---|---|
| 保存行為 | 各共有者が単独で可能 | 修繕・不法占拠者への明渡し請求・登記申請 |
| 管理行為(軽微変更含む) | 持分の過半数 | 賃貸借・利用方法の決定・軽微な変更(形状・効用に著しい変更なし) |
| 変更行為(重大変更) | 共有者全員の同意 | 売却・建物の取壊し・抵当権の設定 |
2023年改正で「形状または効用の著しい変更を伴わない変更(軽微変更)」は持分過半数で決定できるようになりました(民法251条1項)。

賃貸借の同意要件(改正で明確化)
改正民法252条4項により、共有物の賃貸借は「管理行為」として持分過半数で決定できますが、期間制限があります。
| 対象 | 過半数で設定できる賃貸借の期間上限 |
|---|---|
| 樹木の育成・採取を目的とする山林 | 10年 |
| その他の土地 | 5年 |
| 建物 | 3年 |
| 動産 | 6ヶ月 |
上記期間を超える賃貸借は全員の同意が必要です。
2023年改正:所有者不明共有地への対応
所在等不明共有者がいる場合の変更・管理
共有者の中に所在が分からない者や連絡できない者がいる場合、裁判所の決定でその者の同意なしに変更・管理行為ができるようになりました(民法251条2項・252条2項)。
不動産の共有持分の取得・共有物の売却
2023年改正で新設された制度(民法262条の2・262条の3)により:
- 各共有者は自己の持分のみを単独で売却・譲渡できる(従来から)
- 裁判所に申立てて、所在等不明の共有者の持分を取得できる新制度が創設
- 裁判所の決定で共有物全体を第三者に売却できる新制度が創設(売却代金は不明者に供託)

共有物分割請求(民法256条)
各共有者はいつでも共有物の分割を請求できます(原則)。ただし5年以内の期間を定めて分割禁止の特約を結ぶことができます(更新可能)。
分割方法の優先順位:①協議による分割(現物・換価・代償)→ ②協議不成立なら裁判所に分割を請求
ひっかけ注意ポイント
- ❌「共有物の賃貸には全員の同意が必要」→ ✅ 期間の上限内なら持分過半数で決定可(管理行為)
- ❌「共有者の1人が共有物全体を売却できる」→ ✅ 自分の持分のみ売却可能。共有物全体の売却は全員の同意が必要(原則)
- ❌「保存行為は過半数の同意が必要」→ ✅ 保存行為は各共有者が単独で可能
- ❌「共有物分割禁止特約は永久に有効」→ ✅ 分割禁止特約は5年以内(更新可)
よくある質問(FAQ)
Q. 共有持分を取得した場合、他の共有者の同意なしに登記できますか?
A. 持分取得の登記は保存行為に当たるため、自分の持分の登記は単独で申請できます。
Q. 共有物の不法占拠者に対して1人の共有者が明渡し請求できますか?
A. できます。保存行為として各共有者が単独で不法占拠者に対する明渡し請求や妨害排除請求が可能です(判例)。
Q. 相続で共有状態になった不動産を早期に解消するにはどうすればよいですか?
A. 遺産分割協議で一人の相続人に帰属させる(現物分割)、または全員の合意で売却して代金を分ける(換価分割)が一般的です。協議が成立しない場合は家庭裁判所への遺産分割調停・審判を申立てることができます。
まとめ
- 保存行為は単独可・管理行為は持分過半数・変更行為は全員の同意
- 賃貸借は管理行為として過半数で可(期間上限あり:土地5年・建物3年)
- 2023年改正:所在不明共有者がいる場合の変更・売却制度が新設
- 共有物分割請求は各共有者がいつでも可。分割禁止特約は5年以内
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本記事は執筆時点の法令・データに基づきますが、正確性・完全性を保証するものではありません。最終判断は必ず公的機関の最新情報をご確認ください。

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