共有物の管理・変更・分割の完全解説|民法改正2021年・持分・共有物分割請求【宅建2026】

共有不動産のイメージ(複数の建物・土地)
Photo by Yan Chakraborty on Unsplash

不動産の「共有」は、宅建試験・実務ともに頻出のテーマです。2021年民法改正(2023年4月施行)で共有に関するルールが大幅に改正されました。持分・管理・変更・分割の基本から改正内容まで完全解説します。

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目次

共有の基本(民法249条〜)

共有とは、一つの物を複数人が持分(割合)に応じて所有することです。

持分の性質

  • 各共有者は、持分に応じて共有物の全部を使用できる(法249条)
  • 持分は自由に処分(売却・担保設定等)できる
  • 持分について他の共有者の同意は不要

共有物の行為の分類と必要な同意

共有物に対する行為は「保存・管理・変更」に分類され、必要な同意の範囲が異なります。

保存行為(各共有者が単独でできる)

共有物の現状を維持する行為です。

  • 不法占拠者への明渡し請求(全持分の保存として単独で可)
  • 修繕(緊急性のある場合)
  • 時効の中断・完成猶予のための手続き

管理行為(過半数の持分による決定)

共有物の利用・改良を目的とする行為です。

  • 賃貸借契約の締結・解除(短期:土地5年以内・建物3年以内)
  • 共有物の使用方法の決定
  • 管理者の選任・解任(2021年改正で明文化)

「過半数」は共有者の人数ではなく持分の過半数で判断します。

変更行為(全員の同意が必要)

共有物の性質・形状を変える行為、または処分行為です。

  • 共有不動産全体の売却
  • 建物の取壊し
  • 抵当権の設定(全体への)
  • 長期賃貸借の設定(土地5年超・建物3年超)
共有物の行為分類表
Photo by Mạnh Ngô on Unsplash

2021年民法改正の主なポイント

①所在不明・不同意共有者への対応(法251条・252条)

  • 所在不明の共有者がいる場合:裁判所の決定で不同意とみなし、他の共有者の持分の過半数で管理行為・変更行為ができる
  • 賛否不明の共有者がいる場合:相当期間内に異議がなければ賛成とみなせる

②共有物の管理者(法252条の2)

持分の過半数で管理者を選任できるようになりました。管理者は共有者でなくてもよく、共有物の管理に関する行為を行う権限を持ちます。

③共有物の使用(法249条2項)

共有物を単独使用している共有者は、他の共有者に対し持分に応じた使用料を支払う義務があることが明文化されました。

共有物分割請求(民法256条〜)

各共有者はいつでも共有物の分割を請求できます(原則として分割自由の原則)。

分割の方法

  1. 協議分割:共有者全員の合意による分割(現物分割・価格賠償・換価分割)
  2. 裁判分割:協議が整わない場合に裁判所に請求

2021年改正:裁判分割の方法の拡大

改正前は現物分割・代金分割のみでしたが、改正後は賠償分割(価格賠償)も裁判所が命じることができるようになりました。

分割禁止特約

共有者全員の合意で5年以内(更新可)の分割禁止特約を定めることができます。不動産登記も可能です。

遺産共有と通常共有の違い

相続によって生じる「遺産共有」は、遺産分割協議によって解消します。遺産共有と通常共有が混在する場合(一部相続・一部購入等)の処理も2021年改正で整理されました。

宅建試験 頻出ポイントまとめ

  • 持分の処分:単独で自由にできる
  • 管理行為:持分の過半数で決定
  • 変更行為(処分):全員の同意が必要
  • 保存行為:単独でできる
  • 分割請求はいつでも可能(分割禁止特約は5年以内)

まとめ

共有は試験でも実務でも頻出です。特に2021年民法改正による「所在不明共有者への対応」「使用料の明文化」「管理者制度」は2026年試験でも狙われます。行為の分類(保存・管理・変更)と必要な同意の人数(正確には「持分比率」)を確実に押さえましょう。

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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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