不動産の相続税評価額の計算方法|路線価・倍率方式・小規模宅地等の特例を宅建士が解説【2026年版】

不動産の相続税評価額の計算方法|路線価・倍率方式・小規模宅地等の特例を宅建士が解説【2026年版】

相続税の申告において、不動産の評価額の計算は最も重要かつ複雑な部分です。評価額を正しく計算しないと、過大申告(払いすぎ)または過小申告(追徴課税)につながります。宅建士が基本から解説します。

目次

土地の評価方法:路線価方式と倍率方式

土地の相続税評価は、エリアによって2つの方式のどちらかで計算します(相続税法22条・財産評価基本通達)。

不動産の相続税評価額の計算方法|路線価・倍率方式・小規模宅地等の特例を宅建士が解説【2026年版】

① 路線価方式(市街地の土地)

評価額 = 路線価(円/㎡)× 各種補正率 × 地積(㎡)

路線価:国税庁が毎年7月に公表(公示地価の約80%水準)
補正率:奥行補正・不整形地補正・側方路線影響加算等

路線価は国税庁ウェブサイト(財産評価基準書路線価図)で確認できます。

② 倍率方式(農村部・路線価のない地域)

評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率

倍率:国税庁が地域ごとに設定(1.1〜数十倍)

建物の評価方法

建物の相続税評価は比較的シンプルです。

評価額 = 固定資産税評価額(時価の約70%水準)

賃貸建物の場合:
評価額 = 固定資産税評価額 × (1 - 借家権割合30%)
      = 固定資産税評価額 × 0.7

賃貸中の建物は自用よりも評価額が低くなります。これが「賃貸物件は相続税対策になる」と言われる理由の一つです。

賃貸用不動産(貸家建付地)の評価減

賃貸アパートが建っている土地(貸家建付地)は、自用地より低く評価されます。

不動産の相続税評価額の計算方法|路線価・倍率方式・小規模宅地等の特例を宅建士が解説【2026年版】 解説
貸家建付地の評価額 = 自用地評価額 × (1 - 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)

例:自用地評価5,000万円、借地権割合60%、借家権割合30%、賃貸割合100%
  = 5,000万 × (1 - 0.6 × 0.3 × 1.0)
  = 5,000万 × 0.82 = 4,100万円(18%減額)

小規模宅地等の特例(最重要)

相続税における最大の節税特例です(租税特別措置法69条の4)。

区分限度面積減額割合
特定居住用宅地(自宅)330㎡80%減額
特定事業用宅地(事業)400㎡80%減額
貸付事業用宅地(賃貸)200㎡50%減額
例:評価額1億円の自宅(330㎡以内)
  小規模宅地特例適用後:1億円 × 20% = 2,000万円
  → 8,000万円分が課税対象から外れる

特例適用の主な要件(自宅の場合)

  • 配偶者:無条件で適用可
  • 同居親族:相続開始前から同居し、申告期限まで所有・居住継続
  • 家なき子:相続前3年間自己所有住宅に居住していない相続人

この特例の適用可否で相続税が数百万〜数千万円変わるため、税理士への相談は必須です。

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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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