専有部分と共用部分の違い|区分所有法の境界線を判例で解説

専有部分と共用部分の違い|区分所有法の境界線を判例で解説 - 不動産四冠ナビ

📅 情報基準日:2026年4月1日(区分所有法 施行日時点)

マンションにはオーナーが自由に使える「専有部分」と、全居住者で共同利用する「共用部分」があります。しかし、バルコニーや玄関ドア・窓枠はどちらに該当するのでしょうか。区分所有法と判例に基づき、境界線を明確に解説します。

目次

専有部分とは何か

区分所有法第2条3項によれば、専有部分とは「区分所有権の目的たる建物の部分」をいいます。具体的には、各住戸の内部空間(コンクリート躯体の内側から内壁面まで)が専有部分にあたります。

専有部分の要件

  • 構造上の独立性:壁・床・天井によって他の部分と区切られている
  • 利用上の独立性:単独で居住・利用できる

この2要件を満たす空間が専有部分であり、オーナーが単独所有します。

共用部分とは何か

共用部分とは、専有部分以外の建物の部分・建物の附属物・付属の建物の総称です(区分所有法第2条4項)。共用部分は区分所有者全員の共有に属します(同法第11条)。

法定共用部分と規約共用部分

種別定義主な例
法定共用部分性質上当然に共用部分となるもの(法律上の規定による)廊下・階段・エレベーター・外壁・屋根・基礎・パイプシャフト
規約共用部分本来専有部分になりうるが、管理規約で共用部分と定めたもの管理室・集会室・駐車場・倉庫

規約共用部分は登記しなければ第三者に対抗できないという点が重要です(区分所有法第4条2項)。

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境界が問題になりやすい部位

バルコニー(ベランダ)

バルコニーは共用部分です。ただし、専用使用権(その区分所有者だけが使用できる権利)が設定されているため、排他的に使用できます。管理規約の改変なしにバルコニーを増築・改造することはできません。

玄関ドア・窓枠・サッシ

玄関ドア・窓枠・サッシは共用部分です(標準管理規約第7条)。内側の表面部分(化粧板等)のみ専有部分と扱う場合もありますが、構造躯体に影響する部分の工事には管理組合の承認が必要です。

パイプシャフト(PS)

給排水管・電気配線などが通るパイプシャフトは共用部分です。ただし、各専有部分の枝管(専有部分内部を通る部分)については専有部分に含まれる場合があります。水漏れ事故の際の責任分担が問題となりやすい箇所です。

バルコニー面積と専有面積

不動産広告における専有面積(登記面積)にはバルコニーは含まれません。バルコニーは別途「バルコニー面積」として表示されます。

共用部分の管理・変更ルール

共用部分の変更(形状または効用の著しい変更を伴うもの)には、区分所有者および議決権の各3/4以上の多数による集会の決議が必要です(区分所有法第17条)。一方、形状・効用の著しい変更を伴わない「軽微変更」は、規約別段の定めがなければ普通決議で可能です。

まとめ・ポイント整理

  • 専有部分 = 構造上・利用上独立した各住戸の内部空間
  • 共用部分 = 専有部分以外(廊下・階段・EV・外壁など)+規約共用部分
  • バルコニー・玄関ドア・窓枠・PSは共用部分(専用使用権付き)
  • 規約共用部分は登記しないと第三者対抗不可
  • 共用部分の重大変更は3/4以上の特別決議が必要

よくある質問(FAQ)

Q. バルコニーの荷物を勝手に置いてもいいですか?

A. バルコニーは共用部分ですが専用使用権があるため日常的な使用は認められます。ただし、避難経路を塞ぐ荷物の放置・BBQなど管理規約が禁止する行為は不可です。

Q. 専有部分のリフォームは自由にできますか?

A. フローリング張替え・間取り変更等は専有部分の範囲内であれば基本的に自由ですが、管理規約でルールが定められている場合は事前申請が必要です。構造躯体・共用設備への工事は管理組合の承認が必要です。

Q. 専有部分と共用部分の区別はどこで確認できますか?

A. マンションの「管理規約」と「使用細則」に定められています。不明な場合はマンション管理会社または管理組合に確認してください。

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この記事の監修:ゆうぜん

不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)
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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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