📅 情報基準日:2026年4月17日
戸建て売却にはマンションとは異なる独自の注意点があります。「知らなかった」では済まない法的問題を含むため、宅建士が重要ポイントを解説します。
注意点①:土地の境界確認(測量)
戸建て売却で最も重要なのが隣地との境界確認です。境界が不明確なまま売却すると、後に買主と隣地所有者の間でトラブルになり、損害賠償を求められることがあります。

境界確認が必要な主なケース
- 登記簿の面積と実測面積が異なる疑いがある
- 古い建物で境界杭が見当たらない
- 隣地との間で以前トラブルがあった
- 旗竿地・変形地で境界が複雑
境界確定測量の費用と期間
費用:30〜80万円程度(土地形状・隣地数・難易度による) 期間:3〜6ヶ月(隣地所有者との立会い・測量・書類作成) ※隣地が道路(国・自治体)の場合は官民立会いが必要で 半年〜1年かかることもある
売却前に測量する場合は早めに着手することが重要です。売却活動と並行して進める場合、測量完了前でも「確定測量中」として売り出すことは可能です。
注意点②:告知義務(民法562条・宅建業法47条)
売主には物件の重要な欠陥(物理的瑕疵)を買主に告知する義務があります。告知しなかった場合、引渡し後に契約不適合責任を問われます。
告知が必要な主な事項
- 雨漏り:現在はもちろん、過去に修繕したものも告知が必要
- シロアリ被害:被害の有無・過去の駆除歴
- 給排水管の故障・漏水:過去の修理履歴を含む
- 傾き・沈下:建物・地盤の問題
- アスベスト(石綿)含有:1975年以前の建物に多い
- 越境:屋根・雨樋・植木などが隣地に越境している場合
- 心理的瑕疵:死亡事案(国交省ガイドライン:発生から3年以内は自発的告知が必要)
注意点③:耐震基準と売却価格への影響
旧耐震基準(1981年5月31日以前建築)の物件
この時期以前に建築確認を受けた建物は「旧耐震基準」で建てられています。売却に際して以下の影響があります。

- 住宅ローン審査:フラット35(住宅金融支援機構)は旧耐震基準の物件は原則融資不可。買主が住宅ローンを使いにくい
- 住宅ローン控除:耐震基準適合証明書がないと買主が住宅ローン控除を受けられない
- 火災保険・地震保険:旧耐震の場合は保険料が割高になる場合あり
対策:耐震改修または耐震診断
- 耐震診断:5〜20万円程度。「耐震性あり」の診断結果があると買主に安心感を与えられる
- 耐震改修工事:100〜500万円程度。売却価格向上につながる可能性がある
- 耐震基準適合証明書の取得:買主の税制メリットを確保できるため、成約率が上がる
売却前チェックリスト
- □ 登記簿面積と実測面積に相違はないか
- □ 境界杭が全て存在するか・隣地との境界に争いはないか
- □ 雨漏り・シロアリ・給排水管の状態を把握しているか
- □ 1981年以前の建築かどうか確認済みか
- □ 増築・改築した場合、建築確認を取得しているか
よくある質問(FAQ)
Q. 雨漏りを修繕した場合、告知は必要?
A. 必要です。「修繕済み」として告知することで、売主の誠実さを示しつつリスクを最小化できます。修繕記録(業者の領収書等)も保管しておきましょう。
Q. 境界確定せずに売却できる?
A. 「現状有姿・境界不確定」として売却することは可能ですが、買主の同意が必要で、売却価格に影響します。
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