※本記事の情報基準日:2026年4月
目次
対抗要件とは何か
不動産の物権(所有権・抵当権等)を第三者に「主張する(対抗する)」ためには、民法第177条により、登記が必要です。登記なしに「自分が所有者だ」と主張しても、第三者には対抗できません。
不動産物権変動の対抗要件
民法177条:「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」
- 登記なしでは第三者に対抗できない(例:二重譲渡の場合、先に登記した方が優先)
- 当事者間(売主・買主)では登記なしでも権利変動は有効
- ここでいう「第三者」とは:正当な利害関係を持つ者(善意・悪意を問わない)→ただし背信的悪意者(不正な目的で先に登記した者)には対抗できる(判例)

二重譲渡と登記の優先関係
「AがBとCに同じ不動産を二重に売った場合、BとCのどちらが所有者になるか」は宅建試験の頻出問題です。
- 原則:先に登記した方が所有者:BとCのどちらが先に所有権移転登記を完了したかで決まる
- 例外①:背信的悪意者:先に登記していても、その登記が「BからCへの売却を妨害する目的で行った」等の背信的悪意によるものであれば、Bは登記なしにCに対抗できる(最判昭和43年8月2日)
- 例外②:不法行為者:不法行為によって不動産を取得した者への対抗は民法の一般原則(権利濫用等)で対応
登記の優先順位(複数の担保権が競合する場合)
- 同一の不動産に複数の抵当権が設定された場合、登記の順序(登記の早い順)で優先順位が決まる
- 第1順位の抵当権者が競売代金から優先的に弁済を受け、残額があれば第2順位以下の者に配当される
- 後順位抵当権者の同意なしに先順位抵当権者は被担保債権の範囲を変更することができない(後順位抵当権者の利益を保護するため)

宅建試験の頻出ひっかけパターン
- 「Aが死亡し、BがAの唯一の相続人として不動産を相続した。Bは登記なしに第三者に対抗できるか」→できる(相続による取得は登記なしに対抗できる例外)
- 「AがBに不動産を贈与した。Bは登記前にCに転売した。CはAに対抗できるか」→できる(転得者も対抗できる)
- 「不動産の賃借権は登記なしに第三者に対抗できるか」→できない(賃借権は原則登記が必要。ただし引渡しを受けた建物の借家権は対抗力あり)
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【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。

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