※本記事の情報基準日:2026年4月
重要事項説明書(35条書面)を受け取っても、ページ数の多さと専門用語に圧倒されて「とりあえず署名した」という買主・借主を何人も見てきました。宅建士として実際の重要事項説明書を何百件と確認してきた経験から、「ここを見ていれば防げたトラブル」を11項目にまとめます。
見落としポイント1:私道の負担
物件に接する道路が「私道」の場合、通行権・掘削権・舗装維持費用などの負担が発生することがあります。「私道負担なし」であっても、前面道路が複数の地権者が持つ私道であれば、将来トラブルになるリスクがあります。確認すべき点:私道持分の有無・通行掘削承諾書の有無。
見落としポイント2:接道義務(再建築不可物件)
建築基準法上の接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接すること)を満たさない物件は「再建築不可」です。安いからといって購入すると、建替えや大規模リフォームができません。重要事項説明書の「都市計画法・建築基準法に基づく制限」欄を必ず確認してください。
見落としポイント3:土壌汚染・地歴
土地の過去の利用履歴(工場・ガソリンスタンド跡地など)によっては土壌汚染のリスクがあります。土壌汚染対策法の指定区域でなくても、過去の使用用途は確認すべきです。地歴調査(住宅地図の時系列確認)は自分でもできます。
見落としポイント4:石綿(アスベスト)使用調査
昭和63年(1988年)以前に建築確認を受けた建物は石綿(アスベスト)使用の可能性があります。重要事項説明書には「石綿使用調査の記録の有無」の記載が義務付けられていますが、「調査未実施」の場合も多い。リフォーム・解体時に高額な除去費用が発生することがあります。
見落としポイント5:耐震基準の適合状況
昭和56年(1981年)6月以前の旧耐震基準建物は、現行の新耐震基準を満たしていない可能性があります。住宅ローン控除・地震保険の優遇を受けるためには「耐震基準適合証明書」が必要です。中古住宅購入時は必ず確認してください。
見落としポイント6:管理費・修繕積立金の滞納状況(マンションの場合)
前所有者の管理費等の滞納は、購入者(特定承継人)に引き継がれます(区分所有法第8条)。重要事項説明書の「管理費等に関する事項」欄に滞納額が記載されているか確認し、不明な場合は管理組合に直接確認してください。
見落としポイント7:心理的瑕疵(事故物件)の告知
2021年に国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表しました。原則として発覚から概ね3年以内の死亡事案(自殺・他殺・特殊清掃が必要な孤独死)は告知義務があります。告知がなかった場合は契約不適合責任の問題が生じます。
見落としポイント8〜11(まとめ)
- 8. 飲用水・電気・ガスの供給方法:プロパンガス(都市ガス転換不可)・井戸水(水質検査費用)など生活コストに影響する情報を確認する
- 9. 敷地の権利形態:土地が「所有権」か「借地権」かで固定資産税・建替えの自由度が全く変わる。定期借地権マンションは期間終了後に建物を解体して土地を返還する
- 10. 建築確認・検査済証の有無:検査済証がない建物は違反建築の疑いがあり、住宅ローンが通りにくい。リフォームにも制約が生じる
- 11. 契約不適合責任の特約:「現況渡し・一切の瑕疵担保責任を負わない」特約は個人間売買でよく使われる。何が免責になるかを正確に把握する
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【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。
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