※本記事の情報基準日:2026年4月
目次
なぜ宅建業者は保証金を供託するのか
不動産取引では、消費者が宅建業者に前払金・手付金などを預けることがあります。もし業者が倒産・夜逃げした場合、消費者が損害を受けることになります。そのリスクから消費者を守るために、宅地建物取引業法(宅建業法)は、業者に対して「保証」の仕組みを義務付けています。
2つの方法:営業保証金 vs 弁済業務保証金分担金
| 比較項目 | 営業保証金 | 弁済業務保証金分担金 |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 宅建業法第25条〜 | 宅建業法第64条の2〜 |
| 対象 | 保証協会に加入しない業者 | 宅地建物取引業保証協会の社員(加入業者) |
| 主たる事務所 | 1,000万円 | 60万円 |
| 従たる事務所(1箇所ごと) | 500万円 | 30万円 |
| 供託先 | 法務局(供託所) | 保証協会(協会が供託所に一括供託) |
| メリット | 協会加入不要 | 必要資金が格段に少ない |
| デメリット | 必要資金が多額(1事務所で最低1,000万円) | 協会への加入費・会費が必要 |

営業保証金の仕組み
供託の方法と供託物
- 供託物:金銭または国債証券などの有価証券(国債は額面で評価、その他の有価証券は価格に割引率適用)
- 供託先:主たる事務所の最寄りの法務局(供託所)
- 供託後:免許権者(都道府県知事または国土交通大臣)に届け出てから業務開始
還付(消費者からの請求)
- 宅建業者との取引で損害を被った者が、供託所に還付請求できる
- 還付されると供託額が不足するため、業者は2週間以内に補充供託が必要
弁済業務保証金分担金の仕組み
開業コストを抑えるため、ほとんどの宅建業者は保証協会(全国宅地建物取引業保証協会・不動産保証協会)に加入します。
加入の流れ
- STEP1:保証協会への入会申請・入会金・年会費の支払い
- STEP2:弁済業務保証金分担金を協会に納付(主事務所60万円+従事務所30万円/箇所)
- STEP3:協会が一括して法務局(供託所)に供託
- STEP4:加入後は業務開始が可能

還付と充当
- 消費者は保証協会に対して還付請求する(供託所に直接ではない)
- 保証協会が還付後、業者に対して補充(分担金の追加納付)を求める
- 還付請求できる者の範囲:宅建業者と宅地建物の取引をして損害を受けた者(他の宅建業者は対象外)
宅建試験での出題ポイント
- 金額の違い(営業保証金:1,000万+500万 vs 分担金:60万+30万)は確実に覚える
- 保証協会に加入している業者は営業保証金を供託しなくてよい(両方は不要)
- 還付請求できる者の範囲(他の宅建業者は対象外)は頻出
- 供託先の違い(営業保証金→供託所、分担金→保証協会)を混同しやすい
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【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。

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