情報基準日:2026-05-23
賃借権は、原則として貸主の協力がなければ登記できません。そこで借地借家法が「登記なしでも対抗できる」特別の要件を定めています。賃借人保護の仕組みを正確に把握しましょう。
民法上の賃借権と対抗要件
民法605条:不動産賃借権は登記することで第三者に対抗できます。しかし登記は双方申請(貸主・借主の共同申請)が原則で、貸主が登記に協力しなければ登記できません。実務上、賃借権の登記は稀です。
借地借家法による対抗要件の特則
①建物賃借権(借家):建物の引渡しを受けることで第三者に対抗できます(借地借家法31条)。新しい所有者(転得者)に対しても賃貸借の継続を主張できます。②建物所有目的の借地権:借地上に建物を建てその建物について所有権保存登記をすることで対抗できます(借地借家法10条)。登記名義が借地人本人であることが必要です。

売買は賃貸借を破らない(民法605条の2)
対抗要件(引渡し・登記)を備えた賃借権は、不動産が売却されても賃貸借を継続できます(民法605条の2)。新所有者は賃貸人の地位を当然に承継し、以後の賃料を収受する権利を持ちます。敷金返還義務も新所有者が承継します(民法605条の3)。
賃借権に基づく妨害停止請求権
2020年民法改正で、対抗要件を備えた賃借人は賃借権に基づいて妨害排除請求・妨害停止請求を行使できることが明文化されました(民法605条の4)。不法占拠者や第三者の妨害行為に対して直接請求できます(従来は判例のみ)。

よくある質問
- Q. 賃貸中の物件を購入したら賃借人を退去させられますか?
- A. 対抗要件(建物の引渡し)を備えた賃借人がいる場合、物件を購入しても賃借人を退去させることはできません。「売買は賃貸借を破らない」原則が適用されます。
- Q. 建物の登記名義が借地人と異なる場合(子名義等)、対抗要件を失いますか?
- A. 原則として対抗力が失われます(判例)。建物の登記は借地権者本人名義である必要があります。ただし一定の例外(配偶者・家族の名義等)は判例で緩和されている場合があります。
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本記事は執筆時点の法令・制度に基づきます。個別の判断については専門家にご相談ください。

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