📅 情報基準日:2026年5月現在
不動産の鑑定評価は宅建試験の「税・その他」分野から1問出題されます。3手法の名称と試算価格の名称、価格の種類(正常価格・限定価格等)が頻出です。用語を正確に覚えることが得点のポイントです。
不動産の価格の種類
| 価格の種類 | 内容 |
|---|---|
| 正常価格 | 合理的な市場で十分な競争が行われた場合に成立する市場価値。最も一般的な評価価格 |
| 限定価格 | 隣接不動産の取得・借地権と底地の併合など、市場が限定される場合の価格 |
| 特定価格 | 投資家に対する投資採算価値を直接表示する等、特定の条件下の価格 |
| 特殊価格 | 文化財等の一般的な市場を前提としない財の経済価値を表示する価格 |

鑑定評価の3手法と試算価格
| 手法 | 考え方 | 試算価格の名称 | 主な適用場面 |
|---|---|---|---|
| 原価法 | 対象不動産を再調達するためのコスト(再調達原価)から減価修正して価格を求める | 積算価格 | 建物・造成地など再調達コストが明確な不動産 |
| 取引事例比較法 | 多数の取引事例を収集・分析し、比較・補正して対象不動産の価格を求める | 比準価格 | 土地・建物等、取引事例が豊富な不動産 |
| 収益還元法 | 対象不動産が将来生み出す純収益を還元利回りで割り引いて価格を求める | 収益価格 | 収益物件(賃貸マンション・オフィスビル等) |
3手法で算出した試算価格(積算価格・比準価格・収益価格)を調整・総合して最終的な鑑定評価額を決定します。1つの手法だけで決定するわけではありません。
収益還元法の2方式
| 方式 | 内容 |
|---|---|
| 直接還元法 | 1年間の純収益 ÷ 還元利回り = 収益価格 |
| DCF法(割引キャッシュフロー法) | 複数年の純収益と復帰価格を現在価値に割り引いて合算 |
DCF法は将来の収益変動を反映できるため、より精緻な評価が可能です。

地価公示と鑑定評価の関係
地価公示(地価公示法に基づく国土交通省の公示)は、正常な価格(正常価格)を公示するものです。不動産鑑定士が評価し、毎年1月1日時点の価格を3月に公表します。
- 公示地価:土地取引の指標・公共事業用地の補償額の基準
- 基準地価(都道府県地価調査):7月1日時点で9月に公表。地価公示の補完
- 路線価(国税庁):相続税・贈与税の計算用。公示価格の約80%水準
- 固定資産税評価額:市区町村が3年ごとに評価。公示価格の約70%水準
ひっかけ注意ポイント
- ❌「原価法の試算価格は『収益価格』という」→ ✅ 原価法→積算価格、取引事例比較法→比準価格、収益還元法→収益価格
- ❌「鑑定評価は1つの手法で行えばよい」→ ✅ 原則として3手法を用いて試算価格を調整・総合する
- ❌「地価公示の評価基準日は7月1日」→ ✅ 地価公示は1月1日時点(7月1日は都道府県地価調査)
- ❌「限定価格は文化財等に使われる」→ ✅ 文化財等は「特殊価格」。限定価格は隣接地取得・借地権と底地の合併等に使われる
よくある質問(FAQ)
Q. 不動産鑑定評価は誰が行いますか?
A. 不動産鑑定士(国家資格)が行います。不動産の鑑定評価に関する法律(不動産鑑定評価基準)に基づき、客観的な立場で評価を行います。
Q. 取引事例比較法で「事情補正」とは何ですか?
A. 取引事例が急いで売却した(売り急ぎ)・親族間取引など、正常な取引条件でない場合に価格を補正することです。事情補正後に時点修正・地域要因・個別要因の補正を行います。
Q. 宅建試験で収益還元法はどのように出題されますか?
A. 主に「どのような不動産に適用されるか(賃貸用不動産・企業不動産等)」「DCF法の概念」「試算価格の名称(収益価格)」が問われます。計算問題は出題されません。
まとめ
- 3手法:原価法→積算価格、取引事例比較法→比準価格、収益還元法→収益価格
- 価格の種類:正常価格(一般的)・限定価格(市場限定)・特定価格・特殊価格(文化財等)
- 地価公示:1月1日基準・3月公表。都道府県地価調査:7月1日基準・9月公表
- 鑑定評価は原則3手法を用いて試算価格を調整・総合して決定する
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本記事は執筆時点の法令・データに基づきますが、正確性・完全性を保証するものではありません。最終判断は必ず公的機関の最新情報をご確認ください。

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