📅 情報基準日:2026年5月現在
定期建物賃貸借(定期借家)は「契約更新がない・期間満了で確定終了する」建物賃貸借です。普通借家との違いと、成立するための厳格な要件を正確に押さえることが試験対策のカギです。
普通借家 vs 定期借家の比較
| 項目 | 普通借家(借地借家法26〜28条) | 定期借家(借地借家法38条) |
|---|---|---|
| 契約更新 | 原則あり(正当事由が必要) | なし(期間満了で確定終了) |
| 存続期間 | 1年以上(1年未満は期間の定めなしとみなす) | 制限なし(1年未満も可) |
| 書面要件 | 不要(口頭でも成立) | 書面または電磁的記録が必要 |
| 事前説明 | 不要 | 必須(別途書面で説明) |
| 中途解約 | 原則不可(特約がある場合は可) | 居住用200㎡未満は借主から可 |
| 賃料増減額請求 | 可(借地借家法32条) | 特約があれば増減額請求を排除できる |

定期借家の成立要件(厳格)
定期借家契約が有効に成立するには、以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。1つでも欠けると普通借家とみなされます。
- 書面または電磁的記録による契約(口頭不可。公正証書は不要)
- 更新がない旨を契約書に明記
- 契約前に貸主が借主に対して「更新がなく期間満了で終了する」旨を別紙書面で説明(事前説明義務)
③の「別紙書面」は契約書と別の書面でなければなりません。契約書に組み込んでも要件を満たしません(判例・実務)。ただし借主の承諾があれば電磁的記録による説明も可能です。
事前説明を怠った場合の効果
貸主が事前説明書面の交付を怠った場合、「更新がない旨の特約」が無効となり、普通借家契約とみなされます(借地借家法38条5項)。定期借家として有効に機能しなくなる重大な効果です。
中途解約のルール
定期借家は原則として中途解約ができませんが、居住用建物・床面積200㎡未満の場合に限り、転勤・療養・親族の介護等のやむを得ない事情があれば、借主から中途解約の申入れができます(借地借家法38条7項)。解約の申入れから1ヶ月後に終了します。
この中途解約権は借主側の権利であり、貸主からの中途解約には適用されません。また、特約で排除することもできません。

再契約と期間満了の通知
期間1年以上の定期借家契約では、貸主は期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に「期間満了により賃貸借が終了する」旨を借主に通知しなければなりません(借地借家法38条6項)。通知を怠った場合、通知から6ヶ月間は賃貸借を終了させられません。
ひっかけ注意ポイント
- ❌「定期借家契約は公正証書でなければならない」→ ✅ 書面(または電磁的記録)であればよい。公正証書は不要
- ❌「事前説明は契約書に組み込めばよい」→ ✅ 契約書とは別の書面が必要
- ❌「定期借家では家賃増減額請求は一切できない」→ ✅ 増減額不改定の特約がある場合のみ請求不可。特約がなければ可能
- ❌「居住用200㎡未満なら貸主も中途解約できる」→ ✅ 中途解約権は借主のみ。貸主には適用されない
よくある質問(FAQ)
Q. 定期借家契約は期間満了後に再契約できますか?
A. できます。定期借家は「更新がない」だけで、期間満了後に当事者の合意で新たな定期借家契約を締結することは可能です(再契約)。
Q. 1年未満の定期借家契約は有効ですか?
A. 有効です。定期借家は存続期間の下限がないため、数ヶ月や数週間の短期契約も可能です。普通借家では1年未満は「期間の定めなし」とみなされますが、定期借家にはこの制限がありません。
Q. 事前説明書面を電子メールで送ることはできますか?
A. 借主の承諾がある場合は電磁的記録による提供が認められています(借地借家法38条3項)。承諾なしに電子メールのみで行った場合は事前説明の要件を満たさない可能性があります。
まとめ
- 定期借家の3要件:①書面契約②更新なしの明記③別紙書面による事前説明(すべて必須)
- 事前説明を怠ると更新なし特約が無効→普通借家になる
- 居住用200㎡未満はやむを得ない事情があれば借主から中途解約可(貸主は不可)
- 期間1年以上は満了1年前〜6ヶ月前に貸主からの終了通知が必要
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本記事は執筆時点の法令・データに基づきますが、正確性・完全性を保証するものではありません。最終判断は必ず公的機関の最新情報をご確認ください。

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