📅 情報基準日:2026年5月現在
相隣関係は「隣り合う土地の所有者間の権利・義務関係」を定めた規定です。宅建試験では囲繞地通行権(袋地通行権)が頻出です。また2023年の民法改正で隣地使用権・越境竹木の規定が大幅に整備されました。
相隣関係の主要規定一覧
| 規定 | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 隣地使用権 | 民法209条(2023年改正) | 建物建築・修繕等のために隣地を使用できる権利 |
| 囲繞地通行権 | 民法210条〜213条 | 袋地の所有者が囲繞地を通行できる権利 |
| 水流に関する規定 | 民法214条〜222条 | 雨水・排水・用水路の使用関係 |
| 境界に関する規定 | 民法223条〜228条 | 境界線・境界標の設置・建物の距離など |
| 越境した竹木 | 民法233条(2023年改正) | 越境した枝・根の切除権限 |

試験最頻出:囲繞地通行権(袋地通行権)
民法第210条により、公道に通じない土地(袋地)の所有者は、囲んでいる土地(囲繞地)を通行できます。
囲繞地通行権のポイント
- 通行場所・方法:囲繞地のために損害が最も少ない方法・場所を選ぶ(民法211条)
- 償金の支払い:袋地所有者は囲繞地所有者に通常は償金を支払う。ただし分割により袋地が生じた場合は、その分割された土地についてのみ通行権が生じ、償金不要(民法213条)
- 自動車通行:自動車通行が認められるかは判例上、当事者の利益を衡量して判断
2023年民法改正:隣地使用権の整備
改正民法209条により、以下の目的のために隣地を使用できるようになりました。
- 境界標の調査・境界に関する測量
- 隣地の竹木の枝の切取り
- 建物建築・修繕・障壁設置等(改正前からあった規定の拡充)
隣地を使用する際は、あらかじめ隣地所有者・使用者に通知しなければなりません(急迫の事情があるときは除く)。
2023年民法改正:越境した竹木の枝の切除
改正前:隣地から越境した「根」は自分で切れるが、「枝」は隣地所有者に切らせるしかない(自分では切れない)。
改正後(民法233条3項):以下の場合は自分で枝を切り取れる。
- 竹木の所有者に催告したが相当期間内に切除しない場合
- 竹木の所有者を知ることができない・連絡できない場合
- 急迫の事情がある場合

ひっかけ注意ポイント
- ❌「袋地の通行権はどの囲繞地でも好きな場所を通れる」→ ✅ 損害が最も少ない場所・方法に限られる
- ❌「分割で袋地が生じた場合も通行料を払う必要がある」→ ✅ 分割で生じた袋地の場合は分割土地についてのみ通行可・償金不要
- ❌「2023年改正前から隣地の越境した枝を自分で切れた」→ ✅ 改正前は枝は自分で切れなかった(根は可)
よくある質問(FAQ)
Q. 囲繞地通行権は地役権と何が違いますか?
A. 囲繞地通行権は法律(民法210条)から当然に生じる法定の権利で、登記は不要です。地役権は当事者の合意(契約)によって設定される権利で、登記で対抗力が生じます。
Q. 建物を建てるとき、隣地との距離に制限はありますか?
A. 民法234条により、建物を建てる際は境界線から50cm以上離す必要があります(都市部では慣習により例外あり)。また建築基準法の斜線制限・日影規制も適用されます。
Q. 隣地所有者が行方不明で境界確認ができない場合はどうすればよいですか?
A. 隣地所有者の探索が困難な場合、2023年改正で設けられた「所有者不明土地管理制度」や「管理不全土地管理制度」を利用して家庭裁判所に管理人の選任を申立てることができます。
まとめ
- 囲繞地通行権:袋地所有者は損害最小の方法で囲繞地を通行できる(原則償金支払い)
- 分割で生じた袋地→分割した土地のみ通行可・償金不要
- 2023年改正:隣地使用権の整備・越境した枝を一定条件で自分で切除可能に
- 越境した根は従来から自分で切除できるが、枝は2023年改正まで切除不可だった
📚 宅建の権利関係を効率よく攻略したい方へ
累計33万人が受講したフォーサイトの宅建通信講座は、民法改正にも完全対応。全額返金保証つきで安心して始められます。
→ フォーサイトの宅建通信講座を見る
![]()
免責事項
本記事は執筆時点の法令・データに基づきますが、正確性・完全性を保証するものではありません。最終判断は必ず公的機関の最新情報をご確認ください。

コメント