※本記事の情報基準日:2026年5月
修繕積立金の不足は今後のマンション市場で最大のリスクの一つです。購入前に「修繕積立金が足りているか」を見分ける方法と、既に不足しているマンションの住民が取るべき対策を解説します。
修繕積立金が不足しているマンションの実態
国土交通省の調査では、約34%のマンションで修繕積立金が長期修繕計画の目標額を下回っているとされています。特に築20年超のマンションで不足が顕在化しており、大規模修繕の費用を賄えない事例が増えています。

修繕積立金の適正額の目安
国土交通省のガイドラインでは、修繕積立金の目安として「専有面積1㎡あたり月200〜600円」が示されています。
| 専有面積 | 月額修繕積立金の目安 |
|---|---|
| 50㎡(1LDK) | 月額10,000〜30,000円 |
| 70㎡(2LDK) | 月額14,000〜42,000円 |
| 90㎡(3LDK) | 月額18,000〜54,000円 |
現在支払っている修繕積立金がこの目安を大幅に下回っている場合は、将来の不足リスクがあります。
購入前に確認すべき4つのポイント
- 修繕積立金の累積残高を確認する:重要事項説明書に記載されています。「総戸数×○万円」程度の残高があるか確認
- 長期修繕計画の有無を確認する:30年以上の計画があるか。計画がない管理組合はリスクが高い
- 大規模修繕の実施履歴を確認する:過去の大規模修繕がいつ行われたか(次の修繕時期の目安になる)
- 管理費・修繕積立金の滞納状況を確認する:重要事項説明書に滞納総額が記載されている
不足が判明した場合の管理組合の対策
対策1:段階的な値上げ
総会決議(普通決議:区分所有者の過半数かつ議決権の過半数)で修繕積立金の値上げが可能です。急激な値上げは反発を招くため、年率数%ずつの段階的な引き上げが現実的です。

対策2:一時金徴収
大規模修繕の直前に一時金(特別徴収)を集める方法。1戸あたり50〜200万円になることもあり、住民の負担が大きいのが課題です。
対策3:修繕工事の分割・縮小
予算に合わせて修繕範囲を絞り込む。ただし必要な修繕を先送りすると劣化が進んで費用が膨らむリスクがあります。
対策4:住宅金融支援機構からの借入
管理組合向けの融資制度(マンション共用部分リフォーム融資)を活用することで、一時金なしに大規模修繕を実施できます。
修繕積立金不足のマンションを購入してしまった場合
購入後に不足が判明した場合は、管理組合の理事会・総会に積極的に参加して値上げや対策を提案することが重要です。「知らなかった」では将来の一時金負担を避けられません。また、売却を検討する場合は、修繕積立金の状況は重要事項説明で開示が必要なため、買主への説明義務があることを念頭に置いてください。
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まとめ
- 修繕積立金の適正額は専有面積1㎡あたり月200〜600円が目安
- 購入前に重要事項説明書で残高・長期修繕計画・滞納状況を必ず確認する
- 不足が判明した場合は段階的値上げ・一時金・融資の3つの選択肢を検討する
- 管理組合の意思決定(総会)に積極的に参加することが長期的な資産防衛につながる
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【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。マンション管理組合運営・修繕計画・管理費会計に精通した実務家として情報をお届けします。
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