情報基準日:2026年4月時点
マンション売却は戸建てや土地とは異なる固有の注意点があります。区分所有という特殊な形態から生じる管理費・修繕積立金の扱い、管理組合との関係、2026年区分所有法改正の影響まで、売却前に必ず確認すべき10のポイントを解説します。
注意点①:管理費・修繕積立金の日割精算
決済日に管理費・修繕積立金を日割計算して買主と精算します。滞納がある場合は売却前に完済が必要です(特定承継人への引継ぎは任意)。管理組合に「管理費等の滞納有無・残高証明書」を事前に取得しておきましょう。

注意点②:修繕積立金の残高・大規模修繕の時期
修繕積立金の残高が少ない・大規模修繕が近いマンションは買主の交渉材料になりやすく、売却価格に影響します。管理組合から長期修繕計画・積立金残高の資料を入手し、買主に開示する準備をしておきましょう。
注意点③:重要事項調査報告書の準備
売買時に不動産業者が作成する重要事項説明書には、管理組合・管理会社・修繕履歴・管理費等の情報が必要です。管理会社から「重要事項調査報告書」を取得(有料・1〜2週間かかる場合あり)しておくと売却活動がスムーズになります。

注意点④:瑕疵(かし)の告知義務
民法562条の契約不適合責任に基づき、売主は物件の不具合を買主に告知する義務があります。
- 雨漏り・結露・給排水管の不具合
- 騒音・振動・悪臭(近隣トラブル含む)
- ひび割れ・傾き
- 過去のリフォーム歴(特に構造変更)
「物件状況確認書(告知書)」に正確に記載することが重要です。
注意点⑤:専有部分のリフォーム記録
過去のリフォーム(時期・内容・費用)を記録しておくと査定額と買主の評価に好影響を与えます。ただし、管理規約に違反したリフォーム(無届けの間取り変更・専用使用権の侵害等)は必ず告知が必要です。
注意点⑥:2026年区分所有法改正の影響
2026年4月1日施行の区分所有法改正により、建替え決議要件が4/5→3/4に緩和されました。老朽マンションの建替え・解体が進みやすくなり、築古マンションの市場評価に影響する可能性があります。
注意点⑦:管理計画認定の有無を確認
2022年に創設された「マンション管理計画認定制度」の認定を受けているマンションは、管理の質が担保されているとして買主からの評価が高まる傾向があります。フラット35の優遇金利の対象になる場合もあり、売却価格へのプラス効果があります。
注意点⑧:住宅ローンの残債確認
売却価格がローン残債を下回る「オーバーローン」の場合は、差額を自己資金で補填しないと売却できません(任意売却という方法もありますが信用情報に影響)。事前に金融機関でローン残高を確認しましょう。
注意点⑨:内覧時の演出
マンションの内覧では次の点が特に重要です。
- 共用部分(エントランス・エレベーター)の清潔感は管理の質を示す
- 専有部分は整理整頓・掃除・消臭
- 眺望・日当たりが売りの場合はカーテンを開ける
- ペットがいる場合は事前に業者に伝え、当日は別室か外出
注意点⑩:売却タイミングの検討
マンションの売却は2〜3月(春需要期)が最も動きやすい時期です。また金利動向(住宅ローン金利の上昇は買い需要を抑制)や周辺の新築供給状況も売却価格に影響します。急ぎでなければ市場動向を見ながらタイミングを選びましょう。
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