区分所有法「共用部分無断占有の不当利得請求権」判例解説【最高裁2015年9月18日】

情報基準日:2026-05-29 / 事件番号:平27(受)1号

共用部分を区分所有者の一人が独占的に使用している場合、他の区分所有者や管理組合は不当利得の返還を請求できるでしょうか。本判決は、この問題について最高裁が明確に判断した重要判例です。

目次

事案の概要

項目内容
裁判所最高裁判所第一小法廷
判決日平成27年(2015年)9月18日
テーマ共用部分の無断独占使用と不当利得請求権
結論不当利得返還請求権を認容

あるマンションの区分所有者が、集会の決議や他の区分所有者の同意なしに共用部分の一部を独占的に使用し続けていました。管理組合および他の区分所有者が、使用料相当額の不当利得返還を請求しました。

最高裁の判断(判旨)

  • 共用部分は区分所有者全員の共有であり、一人が無断で独占使用することは他の共有者の使用収益権を侵害する
  • 無断独占使用により他の区分所有者は持分に応じた使用ができなくなり、これが損失にあたる
  • 独占使用者は法律上の原因なく使用利益を得ており、不当利得(民法703条)として返還義務を負う
  • 返還すべき額は、無断使用部分の賃料相当額の共有持分割合に応じた金額

試験・実務上の重要ポイント

ポイント内容
共用部分の共有各区分所有者が専有部分の床面積割合等で共有(規約で別段の定め可)
共用部分の使用各共有者は共用部分を用法に従って使用できる(39条)
専用使用権バルコニー・専用庭等の専用使用権は集会の決議または規約で設定
不当利得の要件①他人の損失で②利益を得て③法律上の原因がないこと

よくある質問

Q. バルコニーを倉庫代わりに使用している住民に対して何か請求できますか?
A. バルコニーは共用部分ですが、通常は専用使用権が設定されています(標準管理規約21条)。専用使用が認められる範囲を超えた使用(例:荷物を大量に放置して通路を塞ぐ等)については、管理規約違反として管理組合が改善を求めることができます。
Q. 共用部分の不当利得請求は個々の区分所有者もできますか?
A. 本判決では管理組合および区分所有者が原告となっています。各区分所有者は持分権に基づき自己の持分相当額の不当利得返還を請求できます。管理組合が一括して請求する場合は集会決議が必要です。

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この記事の監修:ゆうぜん

不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)
e-Gov法令検索裁判所ウェブサイトの公的情報に基づき情報発信しています。

免責事項

本記事は執筆時点の判例・法令に基づきます。個別の法的判断については専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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