※本記事の情報基準日:2026年5月
マンションの騒音トラブルは管理組合に持ち込まれる相談の中で最も多いケースの一つです。感情的になりやすいトラブルですが、正しい手順で対処することが解決への近道です。マンション管理士の視点で手順を解説します。
まず確認:マンションの騒音規制のルール
多くのマンションの管理規約には「迷惑行為の禁止」「深夜の騒音禁止」などが定められています。また区分所有法6条は「区分所有者は、区分所有権の行使が他の区分所有者の共同の利益に反してはならない」と定めており、騒音がこれに該当する場合は法的措置の対象になります。

騒音トラブルの対処手順
Step 1:記録を取る
騒音の日時・内容・継続時間を記録します。スマートフォンの騒音計アプリを使って音量(dB)を記録しておくと、後日の証拠になります。「夜中の1時に足音で目が覚めた」など具体的なメモをつけましょう。
Step 2:管理会社・管理組合に相談する
直接相手の部屋に行くのはトラブルが拡大するリスクがあるため、まず管理会社・管理組合に相談します。管理会社は騒音の当事者に対して注意文書の配布・個別注意を行う義務があります。
Step 3:管理組合理事会・総会での対応
管理会社の対応で解決しない場合、理事会に正式な問題として提起します。理事会は規約に基づいて当事者への警告・使用停止要求ができます(区分所有法57条)。
Step 4:法的手段
- 差止請求(民事):騒音の停止を求める仮処分・訴訟
- 損害賠償請求:騒音による精神的苦痛・健康被害への賠償
- 区分所有法59条の競売請求:著しく迷惑行為を続ける区分所有者に対して管理組合が競売を請求できる(要総会決議)
騒音の種類別対処法
| 騒音の種類 | 対処の優先順位 |
|---|---|
| 子どもの走り回り・飛び跳ね | 管理組合の注意文→防音マット設置の呼びかけ→個別面談 |
| 深夜のテレビ・音楽 | 管理組合の注意文→繰り返す場合は法的警告 |
| ペットの鳴き声 | 規約違反(ペット禁止物件の場合)として管理組合経由で排除可能 |
| 工事・リフォーム音 | 管理規約の工事時間規定を確認。違反なら即停止要求 |
注意:自分で直接対応するリスク
感情的になって騒音の発生者に直接抗議に行くと、逆に「脅迫」「威力業務妨害」として訴えられるリスクがあります。必ず管理会社・管理組合を通した「書面での対応」を基本とし、直接対決は避けましょう。

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まとめ
- 騒音トラブルはまず管理会社・管理組合に相談するのが原則。直接対決は避ける
- 記録(日時・音量・内容)を残しておくことが法的措置の際の証拠になる
- 管理組合には区分所有法に基づく使用停止要求・競売請求という強力な手段がある
- 感情的な直接交渉は逆に自分が法的リスクを負う可能性がある
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【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。マンション管理組合運営・修繕計画・管理費会計に精通した実務家として情報をお届けします。
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