不動産投資の確定申告:経費になるもの・ならないものの完全ガイド2026

※本記事の情報基準日:2026年4月

目次

不動産所得の計算式と必要経費

不動産投資の確定申告で最重要なのが「必要経費」の正確な把握です。不動産所得は「総収入金額(家賃等)-必要経費」で計算され、必要経費を正しく計上することが節税の基本です。

不動産所得の計算式
不動産所得 = 総収入(家賃・礼金・共益費等) ー 必要経費
不動産所得がプラスなら他の所得と合算して総合課税
不動産所得がマイナスなら他の所得と損益通算可(土地取得の借入金利子分は除く)

経費になるもの一覧(具体例付き)

経費項目具体例・注意点
固定資産税・都市計画税物件にかかる年間の固定資産税・都市計画税の全額
減価償却費建物部分の取得価額を耐用年数で割った年間額(最大の節税効果あり)
ローン利息(借入金の利子)元金返済は不可。利息部分のみ経費算入可
管理委託料・管理費管理会社への委託料、マンションの管理費・修繕積立金
修繕費現状維持・原状回復のための修繕(資本的支出は減価償却が必要)
火災保険料・地震保険料全額または按分額。長期一括払い保険料は年数按分
税理士・司法書士費用不動産所得に係る帳簿作成・確定申告代行の費用
交通費物件管理・入居者対応・内覧のための交通費(記録が必要)
通信費不動産管理に使うスマホ・インターネット料金の業務按分額
広告宣伝費入居者募集の広告費用(不動産業者への仲介料等)
損害賠償金物件の瑕疵等に起因する損害賠償金

経費にならないもの(落とし穴)

  • 元金返済(ローンの返済額):最も多い誤り。ローンの「元金」部分は経費にならない(「利息」のみ可)
  • 生活費・個人的な旅行費:物件視察と称した私的旅行は認められない
  • 資本的支出:修繕ではなく価値を高める工事(増築・設備グレードアップ等)は一時経費でなく減価償却が必要
  • 自分への給与:個人の不動産所得の場合、自分への「給与」は経費にならない(法人化すれば可能)
  • 購入時の仲介手数料・登記費用:物件取得にかかった費用は「取得費」として減価償却または譲渡時の取得費算入で処理する

減価償却費の計算方法

減価償却費は不動産投資最大の節税ポイントです。建物(土地は不可)の取得価額を法定耐用年数で按分して毎年経費計上します。

構造法定耐用年数年間償却率(定額法)
木造・合成樹脂造22年0.046
木骨モルタル造20年0.050
鉄骨造(3mm以下)19年0.053
鉄骨造(3mm超〜4mm以下)27年0.038
鉄骨造(4mm超)34年0.030
鉄筋コンクリート造(RC)47年0.022

中古物件は「簡便法」で耐用年数を短縮できます。(耐用年数 ー 経過年数) + 経過年数 × 0.2 で計算。築古物件ほど短期間で大きな減価償却費を計上できるため、節税効果が大きいのが特徴です。

青色申告特別控除65万円の活用

  • 青色申告で複式簿記(e-Tax提出)をすると、最大65万円の特別控除が受けられる
  • 白色申告の場合は特別控除なし。青色申告の10万円控除は簡易な記帳でも可
  • 青色申告を選択するには、開業届(または青色申告承認申請書)を税務署に提出する必要がある
  • 事業規模(おおむね10室以上のマンション経営または5棟以上)の場合は事業的規模として扱われ、青色申告で専従者給与・貸倒損失の全額控除が可能になる

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【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。

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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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