賃貸住宅の設備故障の対応:修繕義務・費用負担・入居者への通知の実務

※本記事の情報基準日:2026年4月

目次

設備故障はオーナーが対応すべきことが多い

賃貸物件で給湯器が壊れた・エアコンが効かない・排水管が詰まった——こうした設備故障への対応は、オーナー(賃貸人)の「修繕義務」として民法上明確に規定されています。対応を怠ると、入居者から賃料の減額請求・損害賠償請求を受けることもあります。

オーナーの修繕義務(民法606条)

民法第606条により、賃貸人は「賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」とされています。入居者の故意・過失による破損を除き、自然劣化・経年による設備故障は原則オーナー負担で修繕します。

修繕義務が生じる主な設備の故障

設備修繕費用目安対応優先度
給湯器15〜25万円(交換)最高(生活に直結)
エアコン8〜15万円(交換)高(季節による)
トイレ・排水詰まり1〜5万円最高(生活に直結)
洗面台・キッチン水栓3〜10万円中〜高
照明(共用設備)1〜3万円
玄関鍵・ドアノブ1〜3万円高(防犯・安全に関わる)

2020年民法改正:入居者による修繕権

2020年の民法改正(第607条の2)により、以下の場合は入居者が自分で修繕を行い、費用をオーナーに請求できるようになりました。

  • オーナーに修繕の必要性を通知したにもかかわらず、相当期間内に修繕されない場合
  • 急迫の事情がある場合(緊急性が高い故障)

この改正により、対応が遅いオーナーは入居者に勝手に修繕されて費用を請求されるリスクがあります。故障報告を受けたら48時間以内に対応方針を伝えることが実務上の最低ラインです。

賃料減額請求(民法611条)

設備故障により物件の一部が使用できない状態になった場合、入居者は使用できない割合に応じた賃料の減額を請求できます(2020年改正で自動的に減額されることになった)。

  • 給湯器が1週間使えない:月賃料の5〜10%程度の減額が目安(使用不能の程度・期間による)
  • エアコンが夏に故障して2週間使えない:月賃料の10〜15%程度

対応を早くするための仕組み作り

  • 管理会社に「設備故障は24時間以内に業者手配」を契約条件として明記する
  • よく壊れる設備(給湯器・エアコン)は定期的に点検・交換時期を管理する
  • 緊急対応業者(水道・電気・鍵)の連絡先を入居者に事前に渡しておく

📚 合格への最短ルートを探している方へ

私が合格時に頼ったLECの講座なら、法改正のポイントも漏れなくカバーできます。
→ LEC東京リーガルマインドの講座・資料請求はこちら


【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

コメント

コメントする

目次