※本記事の情報基準日:2026年4月
突然の理事長就任に戸惑う人が多い
「輪番制で今年が自分の番だから」「前任者が急に退任した」など、準備不足のまま管理組合の理事長になるケースは珍しくありません。マンション管理士として多くの管理組合をサポートしてきた経験から、理事長の役割と就任直後にやるべきことを整理します。
理事長の法的な位置づけ
区分所有法上、理事長は管理組合(区分所有者全員で構成される団体)の代表者です。マンション標準管理規約では「理事長は、管理組合を代表し、その業務を統括する」と定められています。
- 管理組合を代表して契約・届け出・訴訟を行う権限がある
- 管理者(民法上の)として登記・届け出の義務を負う場合がある
- 管理費等の徴収・保管の責任を負う
- 理事会・総会を招集し議長を務める
就任したら最初にやること10選
1. 前任者から書類・鍵を引き継ぐ
管理規約・使用細則・長期修繕計画・総会議事録・会計書類・管理会社との委託契約書・建物の設計図書・各設備の保証書など。これらが揃っているか確認し、不足書類は管理会社から取り寄せる。
2. 管理会社の担当者と顔合わせをする
担当フロントの名前・連絡先・対応時間を確認する。「何かあればここに連絡する」という関係を早めに構築しておく。
3. 管理規約・使用細則を通読する
全部を暗記する必要はないが、「どこに何が書いてあるか」を把握しておく。特にペット・駐車場・バルコニー・騒音・民泊に関する条項は頻繁に参照する。
4. 長期修繕計画と積立金残高を確認する
「いつ大規模修繕が予定されているか」「そのとき積立金は足りるか」を把握する。不足が見込まれる場合は早急に対策を検討する。
5. 直近の総会議事録・理事会議事録を読む
前期に何が議題になり、何が決議されたかを把握する。継続案件(未解決のトラブル・工事の進捗等)を引き継ぐ。
6. 管理費等の滞納状況を確認する
管理会社から最新の収支報告・滞納状況リポートを取り寄せる。長期滞納者がいる場合は前任者の対応状況を確認し、引き続き対応する。
7. 建物・設備の点検記録を確認する
エレベーター・消防設備・給排水設備・電気設備の定期点検記録を確認する。法定点検の実施漏れがないかチェックする。
8. 理事会メンバーに挨拶・役割分担を決める
副理事長・会計担当・書記など、各理事に役割を分担する。「全部理事長一人で抱え込まない」体制を最初から作る。
9. 今期の重点課題を整理する
大規模修繕・管理規約改正・設備更新・滞納対応など、今期に取り組むべき課題を優先順位付けして理事会で共有する。
10. マンション管理士等の専門家活用を検討する
管理組合の課題が複雑な場合(大規模修繕・規約改正・滞納対応等)は、マンション管理士への相談・顧問契約を検討する。費用は月2〜5万円程度が相場。
理事長が一人で抱え込まないために
理事長の役割は「管理のプロになること」ではなく「管理組合を代表して適切に判断・行動すること」です。わからないことは管理会社・マンション管理士に確認し、判断が難しい案件は理事会・総会に諮ることで、一人で背負いすぎない運営ができます。
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【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。
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