※本記事の情報基準日:2026年4月
賃貸収入は「不動産所得」として申告する
賃貸物件から得た家賃収入は「不動産所得」として確定申告が必要です(給与所得者は20万円超が申告義務の目安)。不動産所得の計算式は「収入金額−必要経費」です。経費を正確に計上することが、合法的な節税の出発点です。
宅建士・賃貸不動産経営管理士として自ら確定申告を行ってきた経験から、見落としがちな経費も含めて12項目を整理します。
経費として認められる12項目
1. 減価償却費
建物(土地は対象外)の取得費用を耐用年数に応じて毎年経費計上します。現金支出ゼロで経費にできる最大の節税項目です。木造22年・RC造47年の耐用年数で定額法償却が原則です。
2. ローン利息(元金部分は対象外)
住宅ローン・不動産投資ローンの返済のうち、利息部分のみ経費になります。元金部分は経費になりません。金融機関から発行される「返済予定表」や「支払明細書」で利息額を確認します。
3. 固定資産税・都市計画税
毎年4〜6月に送付される納税通知書の税額がそのまま経費になります。
4. 管理会社への管理委託費
管理会社に支払う月額管理料(家賃の5〜10%)・入居者募集広告費・退去精算費用などが含まれます。
5. 修繕費・維持管理費
現状維持・原状回復のための修繕費は経費になります。ただし資産価値を向上・耐用年数を延長させる「資本的支出」(リフォームなど)は減価償却として処理する必要があります(金額・内容によって判断)。
6. 火災保険料・地震保険料
年払いの場合はその年の保険料全額。長期一括払いの場合は按分(年割り)して計上します。
7. 交通費(物件管理のための移動)
物件の確認・修繕業者との打合せ・管理会社訪問などのための交通費は経費になります。ICカードの利用履歴や領収書で記録を残しておきましょう。
8. 通信費(物件管理に使う分)
物件管理のために使うスマートフォン・インターネット費用のうち、事業使用割合に応じた部分が経費になります(按分計算が必要)。
9. 新聞・書籍・セミナー費用
不動産・税務・賃貸経営に関する専門書・業界誌の購入費・セミナー参加費が経費になります。「事業に関連する」知識習得であることが条件です。
10. 税理士・司法書士・弁護士への報酬
不動産所得に関連した確定申告費用(税理士報酬)・登記費用(司法書士)・法律相談費用(弁護士)は経費になります。
11. 空室期間中の経費も計上できる
空室でも固定資産税・保険料・ローン利息・減価償却費などは継続して経費計上できます。「収入がゼロの月でも経費は発生する」という認識が節税上重要です。
12. 開業初年度の費用(開業費)
賃貸経営を始めた年の物件購入に伴う仲介手数料・登記費用・ローン手数料などは開業費として処理し、任意の年に一括・または均等に償却できます。
経費計上のために領収書・記録を残すコツ
- 支出のたびに領収書をもらう習慣をつける(電子領収書もOK)
- 物件ごとの収支をExcelやクラウド会計ソフトで管理する
- 交通費は「移動日・目的・区間・金額」をメモしておく
- 按分が必要なもの(通信費等)は事業使用割合の根拠を明示する
【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。
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