📅 情報基準日:2026年4月時点(農地法 最新改正反映)
宅建試験「法令上の制限」で毎年1〜2問出題される農地法。3条・4条・5条の違いを混同して失点する受験生が多いため、本記事では条文の構造から試験ひっかけパターンまで徹底解説します。
農地法の目的と「農地」の定義
農地法は、農地の保全と農業生産力の維持・発展を目的とした法律です。農地の転用・権利移動を許可制・届出制で規制します。
「農地」とは:耕作の目的に供される土地のこと(農地法2条1項)。登記地目が「田」「畑」かどうかではなく、現況(実際の使用状況)で判断します。これがひっかけの定番です。
- 登記地目が「宅地」でも現況が耕作 → 農地法の適用あり
- 登記地目が「田」でも現況が原野 → 農地法の適用なし(採草放牧地に該当する可能性はあり)

3条・4条・5条の違いを完全整理
| 条文 | 内容 | 許可権者 | 市街化区域 |
|---|---|---|---|
| 3条 | 農地・採草放牧地の権利移動(農地のまま所有権・賃借権等を移転) | 農業委員会 | 許可必要(届出制なし) |
| 4条 | 農地を農地以外(宅地等)に転用(権利移動なし・自己の農地を転用) | 都道府県知事等 | 届出制(許可不要) |
| 5条 | 農地を農地以外に転用する目的で権利移動(売買・賃貸借と転用が同時) | 都道府県知事等 | 届出制(許可不要) |
ポイント①:3条は「農地のまま」の権利移動なので市街化区域でも許可が必要。4条・5条は市街化区域内であれば届出のみ(許可不要)。
ポイント②:許可権者の違いに注意。3条は農業委員会、4条・5条は都道府県知事等(4ha超は農林水産大臣が関与)。
許可が不要なケース(頻出)
- 国・都道府県等が権利を取得する場合(3条の例外)
- 相続・遺産分割・離婚時の財産分与等(3条の例外。ただし農業委員会への届出が必要)
- 市街化区域内の転用・転用目的権利移動(4条・5条は届出に緩和)
- 土地収用法等の規定による場合
⚠️ 「許可が不要」と「届出も不要」は別物。相続等は許可不要でも届出は必要なケースが多い。
違反した場合の効果
- 3条違反:権利移動は無効
- 4条・5条違反:工事停止命令・原状回復命令の対象(行政上の措置)。売買等の私法上の効力は有効とする判例があるが、実務上は許可取得が前提
宅建試験の頻出ひっかけパターン
| ひっかけパターン | 正しい知識 |
|---|---|
| 「登記地目が田なら農地法の農地」 | 現況主義。登記地目でなく実際の使用状況で判断 |
| 「市街化区域の農地は4条も許可不要」 | 届出制(許可は不要だが届出は必要) |
| 「3条も市街化区域なら届出制」 | 3条は市街化区域でも許可が必要(例外なし) |
| 「相続は農業委員会への届出も不要」 | 許可は不要だが届出(通知)が必要 |
| 「4条・5条の許可権者は農業委員会」 | 4条・5条は都道府県知事等(農業委員会は3条) |
よくある質問(FAQ)
Q. 農業者が自分の農地を駐車場に転用する場合、何条の適用ですか?
A. 権利移動なく自分で転用するので4条の適用です。市街化区域内なら届出制、それ以外は都道府県知事等の許可が必要です。
Q. 農地を売って買主が宅地に転用する予定の場合は何条ですか?
A. 転用目的の権利移動(売買)なので5条です。許可は売主・買主の連名で申請します。
Q. 市街化調整区域の農地を転用する場合も届出でよいですか?
A. いいえ。届出制は市街化区域のみです。市街化調整区域・非線引き区域は許可が必要です。
Q. 農地法の違反に刑事罰はありますか?
A. あります。無許可転用等には3年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人は1億円以下の罰金)が規定されています。
まとめ:試験前チェックリスト
- ✅ 農地の定義は「現況主義」(登記地目ではない)
- ✅ 3条=農業委員会許可(市街化区域でも必要)
- ✅ 4条・5条=都道府県知事等の許可(市街化区域は届出に緩和)
- ✅ 相続等は許可不要だが届出(通知)は必要
- ✅ 4条・5条違反は工事停止・原状回復命令の対象
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本記事の内容は執筆時点の法令・公的データに基づき作成していますが、正確性・完全性を保証するものではありません。最終的な判断は必ず公的機関の最新情報をご確認ください。
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参考資料・公式情報
💡 四冠ホルダーからの一言:宅建試験は「なぜそのルールが存在するのか」という背景理解が合格の近道です。条文の丸暗記より、制度の趣旨を掴むことを意識してください。

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