📅 情報基準日:2026年4月17日
マンションで漏水事故が起きた際に必ず問題になるのが「どこまでが共用部分(管理組合が修繕責任を負う)で、どこからが専有部分(区分所有者が負担する)か」です。排水管の枝管を例に判例から学びます。
共用部分・専有部分の基本的な区別
区分所有法2条4項・5項では:

- 専有部分:区分所有権の目的たる建物の部分(各住戸内の部分)
- 共用部分:専有部分以外の建物の部分・専有部分に属しない建物の附属物
法定共用部分の例:廊下・階段・エレベーター・外壁・屋根・基礎
排水管の構造と問題の所在
マンションの排水管の構造(模式図):
各住戸(専有部分)
↓
枝管(各戸から出る分岐管)← ここが問題
↓
竪管(PS内の縦管)← 法定共用部分
↓
本管(地下の幹線)← 法定共用部分
↓
公共下水道
竪管・本管が共用部分であることは疑いありませんが、各住戸から竪管までの枝管が専有部分か共用部分かが問題になります。
最高裁の判断
最高裁(参考判例:最高裁平成12年3月21日判決)は、排水管のうち本管(竪管)から専有部分内のみに設置されているものは専有部分に属するが、床スラブを貫通して複数の専有部分のために設置されているもの(竪管等)は共用部分と判断しています。

具体的には:
- PS(パイプスペース)内の竪管 → 共用部分
- 各住戸内の天井・床下を通る横管(排水横枝管)→ 専有部分が多い
- 床スラブに埋設された配管 → 共用部分となる場合が多い
修繕責任の帰属
枝管が専有部分であれば区分所有者の自己負担で修繕が必要です。共用部分であれば管理組合の費用で修繕します。
実務上は管理規約で具体的に範囲を定めているケースが多く、管理規約の確認が先決です。
試験対策のポイント
- 共用部分の定義(区分所有法2条4項)を正確に把握
- 「専有部分に属しない建物の附属物」→ 構造上・機能上独立していない設備は共用部分
- 法定共用部分(法律上当然に共用)と規約共用部分(規約で共用と定めたもの)の区別
よくある質問(FAQ)
Q. 漏水の原因が枝管(専有部分)の場合、上階から被害を受けた下階の住民はどう対応?
A. 上階区分所有者の専有部分内の設備が原因なら、上階区分所有者の不法行為責任(民法709条)を追及できます。管理組合を通じた調停・交渉も選択肢です。
Q. 管理組合が「共用部分」として修繕することを決議すれば、専有部分の排水管も修繕できる?
A. 区分所有法19条の「規約共用部分」として設定することや、管理規約で管理組合が修繕できる旨を定めることは可能です。ただし修繕費用の負担方法も規約に明記が必要です。
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免責事項
本記事は執筆時点の法令・判例に基づき作成しています。判例の解釈・適用は個々の事案により異なります。法的判断については専門家にご相談ください。
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