情報基準日:2026-05-23
不動産に関するトラブル(越境・不法占拠・欠陥工事・騒音等)では、不当利得・不法行為に基づく損害賠償請求が活用されます。要件と効果を正確に理解しておきましょう。
不当利得(民法703条)
不当利得とは、法律上の原因なく他人の財産・労務によって利益を得、他人に損失を与えることです。要件:①他人の財産・労務による利益。②損失の発生。③因果関係。④法律上の原因なし。典型例:他人の土地を権原なく使用した場合の地代相当額の返還請求。無効な契約に基づいて支払った代金の返還。
不法行為(民法709条)
不法行為とは、故意または過失によって他人の権利・利益を侵害することです。要件:①故意または過失。②損害の発生。③因果関係。不動産での典型例:越境工事による隣地損害。欠陥建物の引渡しによる損害(工事業者の責任)。騒音・悪臭等の生活妨害(受忍限度を超えた場合)。

宅建業者・不動産業者の責任
①使用者責任(民法715条):宅建業者(使用者)は、その従業員(被用者)が業務中に行った不法行為について使用者責任を負います。②土地工作物責任(民法717条):建物の設置・保存の瑕疵によって第三者に損害が発生した場合、土地工作物の所有者は無過失責任を負います(瑕疵なく回避努力した場合でも責任あり)。
消滅時効(2020年改正)
不法行為の損害賠償請求権の消滅時効:①損害および加害者を知った時から3年(改正前は3年変更なし)。②不法行為の時から20年(除斥期間→改正で時効に変更)。人の生命・身体を害する不法行為は①が5年に延長。

よくある質問
- Q. 隣家が無断で越境して工事した場合の対応は?
- A. ①不法行為に基づく損害賠償請求(財産的損害+慰謝料)。②不当利得返還請求(利用した土地の賃料相当額)。③妨害排除請求(越境物の撤去)。証拠として現地写真・測量図面・工事業者への聴取等を準備してください。
- Q. 欠陥工事(施工不良)で建物に損害が出た場合、誰に請求できますか?
- A. ①施工業者:不法行為または請負契約上の債務不履行(民法634条等)で請求可。②売主(宅建業者):契約不適合責任(民法562条〜)で請求可(知得してから1年以内に通知が必要)。両者への請求が可能です。
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免責事項
本記事は執筆時点の法令・制度に基づきます。個別の判断については専門家にご相談ください。

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