借地借家法 完全解説|存続期間・更新・対抗要件・定期借地権【宅建試験2026】

借地権・土地賃貸借のイメージ(住宅と土地)

情報基準日:2026年4月1日(借地借家法 最新改正時点)

目次

借地借家法とは

借地借家法(平成3年法律第90号)は、土地・建物の賃貸借における借主(借地人・借家人)の権利を保護するために定められた特別法です。民法の賃貸借規定(民法601条〜622条の2)よりも借主に有利な規定を置き、民法の特則として機能します。

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宅建試験では毎年2〜3問出題される最頻出分野です。「普通」と「定期」の違い、対抗要件、正当事由の有無を正確に押さえることが合格への鍵となります。

借地権の基本

借地権とは

借地権とは、建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権をいいます(借地借家法第2条第1号)。「建物の所有目的」が要件であり、資材置き場や駐車場目的の土地賃借には借地借家法は適用されません。

普通借地権(旧法借地権との違い)

1992年(平成4年)8月1日以降に設定された借地権には借地借家法が適用され、それ以前のものには旧借地法が適用されます(経過措置)。宅建試験では借地借家法を前提に学習します。

項目普通借地権
存続期間30年以上(特約で30年未満は30年とみなす)
最初の更新20年以上
2回目以降の更新10年以上
法定更新借地人が建物を使用継続・地主が遅滞なく異議なし → 同一条件で更新
更新拒絶要件正当事由が必要(地主の自己使用の必要性・借地人の使用状況・財産上の給付等を考慮)

定期借地権の3種類

定期借地権は更新がなく、期間満了で確定的に終了する借地権です。

種類存続期間用途特約方式終了方式
一般定期借地権(第22条)50年以上主に住宅・商業書面(公正証書等)原則建物取壊し・更地返還
建物譲渡特約付借地権(第23条)30年以上主に商業・事業用特約のみ(書面不要)建物を地主に譲渡
事業用定期借地権(第23条)10年以上50年未満専ら事業用建物(居住禁止)公正証書のみ原則更地返還

【試験ポイント】事業用定期借地権の設定は公正証書限定。一般定期借地権は書面(公正証書でなくてもよい)。この違いは頻出です。

定期借地権3種類の比較図解
Photo by Ronan Furuta on Unsplash

借地権の対抗要件

借地権(土地賃借権)を地主の変更(土地の売却)に対抗するには、通常は賃借権の登記が必要です(民法605条)。しかし借地借家法は借地人保護のため特則を設けています。

借地借家法第10条:借地上の建物の登記で対抗可能

借地人が借地上の建物について所有権保存登記または移転登記を備えていれば、土地の賃借権の登記がなくても第三者(土地の新所有者)に対抗できます。

【重要判例】最高裁判所昭和50年6月27日判決(建物登記による借地権の対抗):借地上の建物について保存登記した借地人は、その後土地を買い受けた者に対して借地権を対抗できると判示。

借家権の基本

建物賃貸借の存続期間

建物の賃貸借期間は1年未満の定めをすると「期間の定めなし」とみなされます(借地借家法第29条)。1年以上の場合は定めた期間が有効。期間の定めなし賃貸借の解約申入れは3ヶ月前の予告が必要です(同法第27条)。

法定更新と更新拒絶の正当事由

期間満了・解約申入れによる終了には正当事由が必要です(借地借家法第28条)。正当事由の判断要素は次のとおりです。

  • 建物の使用を必要とする事情(貸主・借主双方の事情)
  • 建物の賃貸借に関する従前の経緯
  • 建物の利用状況および現況
  • 財産上の給付(立退料)の申出

借家権の対抗要件

建物賃借人は建物の引渡しを受けることで、その後その建物を取得した者(新所有者)に賃借権を対抗できます(借地借家法第31条)。登記は不要です。

定期建物賃貸借(定期借家)

普通借家契約と異なり、正当事由不要・更新なしで期間満了時に終了します。設定要件は次のとおりです。

  • 書面(公正証書その他の書面)による契約
  • 更新がない旨を契約書とは別の書面で説明・交付(口頭でも可=2020年民法改正後)

借主側の中途解約特約:床面積200㎡未満の居住用建物では、転勤・療養・親族介護等のやむを得ない事情があれば、1ヶ月前の申入れで解約できます(同法第38条第7項)。

造作買取請求権

借家人が建物に付加した造作(エアコン・ふすま等)について、賃貸借終了時に貸主に時価で買い取らせる権利です(借地借家法第33条)。ただし特約で排除できます(同法第37条の適用対象外のため)。

借地上の建物については同法第13条で同様の規定あり(建物買取請求権)。こちらは形成権(一方的意思表示で効力発生)であり特約による排除不可です。

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宅建試験 頻出論点まとめ

論点正しい知識
普通借地権の存続期間30年以上(最初の更新20年、その後10年)
借地権の対抗要件借地上の建物の登記(土地賃借権の登記不要)
事業用定期借地権の設定方式公正証書のみ有効
借家の対抗要件建物の引渡しのみ(登記不要)
普通借家の更新拒絶正当事由が必要(立退料も考慮)
定期借家の中途解約200㎡未満居住用は1ヶ月前申入れで解約可
造作買取請求権特約で排除できる(建物買取請求権は排除不可)
1年未満の建物賃貸借「期間の定めなし」とみなされる

まとめ

借地借家法は「普通 vs 定期」「借地 vs 借家」「対抗要件の違い」の三つの軸で整理すると理解が深まります。宅建試験では特に定期借地権3種類の比較、正当事由の要件、対抗要件の違いが繰り返し出題されます。e-Govで借地借家法の条文を確認しながら学習を進めましょう。


この記事の監修:ゆうぜん

不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)
現場実務の知見と、e-Gov(法令検索)国土交通省RETIO(不動産適正取引推進機構)の公的データベースに基づき、最新かつ正確な情報発信に努めています。

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本記事の内容は、執筆時点の法令および公的データに基づき作成しておりますが、正確性・完全性を保証するものではありません。最終的な判断は必ず公的機関の最新情報をご確認ください。


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💡 四冠ホルダーからの一言:宅建試験は「なぜそのルールが存在するのか」という背景理解が合格の近道です。条文の丸暗記より、制度の趣旨を掴むことを意識してください。

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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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