賃貸経営「賃料増額・減額請求」借地借家法32条の手続きと実務【2026年版】

情報基準日:2026-05-22

賃貸借契約が継続する中で経済状況や地域の賃料相場が変化した場合、貸主・借主双方が賃料の増額または減額を請求できます(借地借家法32条)。実務上の手続きと注意点を解説します。

目次

賃料増額・減額請求の要件

借地借家法32条1項:土地・建物に対する租税公課の増減・土地・建物の価格の上昇もしくは低下・近傍同種の建物の賃料に比較して不相当となった場合→賃料増額・減額を請求できる。ただし「一定期間賃料を増額しない特約」がある場合はその期間中は増額請求不可(32条1項ただし書き)。

請求後の手続き

協議(直接交渉):まず貸主・借主間で協議。②調停(裁判所):協議不調の場合は家庭裁判所または簡易裁判所に賃料増減額調停を申立て(民事調停法)。③訴訟:調停も不成立の場合は訴訟で裁判所が賃料を確定。

増額請求中の賃料支払い

借主が増額請求に応じない場合でも、「相当と認める額」(従来賃料等)を継続して支払えば債務不履行(賃料滞納)にはなりません。増額が確定した場合は差額+年利10%の利息を支払います(借地借家法32条2項)。同様に減額請求中は「相当と認める額」を支払い、減額確定後は超過支払い分を年利10%で返還を求められます(32条3項)。

よくある質問

Q. 家賃を上げたい場合、どのくらいの値上げ幅が認められますか?
A. 近傍同種建物の賃料相場との比較が基準です。一般的に近傍相場の10〜20%を超える増額は認められにくいです。賃貸情報サービスの相場データや不動産鑑定士の意見書が根拠として有用です。
Q. 「家賃固定期間10年間」という特約は有効ですか?
A. 「増額しない特約」は有効(借地借家法32条1項ただし書き)です。貸主からの増額請求は特約期間中はできません。ただし「減額しない特約」は定期借家契約の場合のみ有効で、普通賃貸借では無効とされています。

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この記事の監修:ゆうぜん

不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)
e-Gov法令検索国土交通省の公的情報に基づき情報発信しています。

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本記事は執筆時点の法令・制度に基づきます。個別の判断については専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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