📅 情報基準日:2026年5月現在
不動産投資で最も重要な意思決定は「どの物件を買うか」です。利回りだけを見て飛びついたり、業者の説明を鵜呑みにしたりすることで大きな損失を被る投資家が後を絶ちません。宅建士として、収益物件を選ぶ際の正しいチェックポイントを解説します。
利回りの正しい見方
表面利回りと実質利回りの違い
| 種別 | 計算式 | 注意点 |
|---|---|---|
| 表面利回り | 年間家賃収入 ÷ 物件購入価格 × 100 | 経費・空室を無視した数字。広告でよく使われる |
| 実質利回り | (年間家賃収入 – 年間経費) ÷ (物件購入価格 + 諸費用) × 100 | 実態に近い収益率。これを基準にすること |
計算例:物件価格1,500万円・年間家賃収入120万円・年間経費30万円・諸費用100万円の場合
表面利回り = 120 ÷ 1,500 × 100 = 8.0%
実質利回り = (120 – 30) ÷ (1,500 + 100) × 100 = 5.6%
実質利回りの目安は都市部5〜7%、地方6〜9%程度です。これを下回る場合はキャッシュフローが厳しくなります。

立地の選び方:賃貸需要の確認
良い立地の条件
- 駅徒歩10分以内:特に単身向けワンルームは駅近が必須条件
- 生活インフラの充実:スーパー・コンビニ・病院・薬局が近くにある
- 賃貸需要のある属性が近くにいる:大学・大病院・大企業の近く
- 人口が維持されているエリア:総務省統計で人口推移を確認する
避けるべき立地
- 人口減少・高齢化が急速に進んでいる地方
- 駅からバス便のみの立地(車必須エリア)
- 大規模工場・大学の撤退が予定されているエリア
- ハザードマップで浸水リスクが高いエリア
築年数とリスクの関係
| 築年数 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 築5年以内(新築・築浅) | 修繕リスクが低い・入居者に人気 | 利回りが低い・価格が高い |
| 築10〜20年 | 価格が落ち着き・まだ状態が良い | 設備交換が必要になる時期 |
| 築20〜30年 | 価格が安く利回りが高い | 大規模修繕(給排水・外壁)が近い |
| 築30年以上 | 高利回り・減価償却が節税に使える | 修繕費用が大きく・建替え検討が必要な時期も |
重要なのは1981年6月以降の建築確認(新耐震基準)かどうかです。旧耐震基準(1981年以前)の物件は融資が難しく、売却時も評価が低くなります。

管理状況の確認ポイント
- 現在の入居率:満室か、空室率はどのくらいか(空室率20%超は要注意)
- 管理会社の質:地元に実績がある管理会社が担当しているか
- 修繕履歴:過去の修繕記録・大規模修繕の実施時期を確認する
- 修繕積立金の残高(区分マンション):修繕積立金が不足していると特別徴収のリスク
- 滞納状況:家賃滞納が多い物件は収益が安定しない
絶対に避けるべき物件の特徴
- 業者から「この物件は節税になる」と押しつけられた物件
- 「満室保証」「家賃保証」を前面に出しているが内容が不明瞭
- 利回りが異常に高い(12%超)地方物件(空室・流動性リスクが高い)
- 売主が直近で購入してすぐに転売している(価格の水増しの疑い)
- 管理会社が変わり続けている
よくある質問(FAQ)
Q. 物件の情報はどこで調べればよいですか?
A. 楽待・健美家などの収益物件ポータルサイトが主な情報源です。また、土地の価格はLAND MAP(地価公示マップ)や国土交通省の地価情報で確認できます。
Q. 初めての物件購入で気をつけることは何ですか?
A. 「1社の不動産会社の言葉だけで決めない」ことが最重要です。複数の管理会社に賃料相場を確認し、第三者の専門家(宅建士・税理士・ファイナンシャルプランナー)の意見を聞いてから判断することを強くお勧めします。
Q. ハザードマップの確認は義務ですか?
A. 宅建業法の重要事項説明(35条)において、水害ハザードマップに記載された区域内にあるかどうかを説明することが2020年から義務化されています。購入前に自分でも国土交通省ハザードマップポータルサイトで確認してください。
まとめ
- 利回りは表面利回りではなく実質利回り(5〜7%が目安)で判断する
- 立地は「駅近・生活インフラ・賃貸需要の源泉(大学・企業)」が三大条件
- 築年数は新耐震基準(1981年6月以降)の物件を基本とする
- 管理状況(入居率・修繕積立金・管理会社の質)を必ず現地・書面で確認する
- 業者の言葉を鵜呑みにせず、複数の情報源と専門家の意見を参考にする
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免責事項
本記事は執筆時点の法令・データに基づきますが、正確性・完全性を保証するものではありません。最終判断は必ず公的機関の最新情報をご確認ください。

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