不動産投資の減価償却・節税効果を徹底解説【2026年版】|確定申告・経費計上・損益通算の仕組みを宅建士が説明

📅 情報基準日:2026年5月現在

不動産投資の魅力の一つとして「節税効果」がよく語られます。確かに、仕組みを正しく理解して活用すれば所得税・住民税を合法的に減らすことができます。ただし「節税目的だけで不動産投資をする」のは危険です。宅建士として正確な仕組みを解説します。

目次

不動産投資で節税できる仕組み

不動産投資の所得(不動産所得)は「家賃収入 – 必要経費」で計算されます。必要経費が家賃収入を上回れば「不動産所得がマイナス(赤字)」となり、この赤字をサラリーマンの給与所得と相殺できます(損益通算)。これが節税の基本的な仕組みです。

計算式
不動産所得 = 家賃収入 – 必要経費120万円 – 180万円 = △60万円
課税所得 = 給与所得 – 不動産所得の赤字600万円 – 60万円 = 540万円
節税効果(所得税+住民税約30%の場合)60万円 × 30% = 約18万円の節税
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減価償却費とは何か

必要経費の中で特に重要なのが減価償却費です。建物は時間の経過とともに価値が減少するとされており、購入価格(建物部分)を法定耐用年数にわたって毎年経費として計上できます。

構造法定耐用年数償却率(定額法)
木造22年0.046
軽量鉄骨(骨格材3mm超〜4mm以下)27年0.038
重量鉄骨(骨格材4mm超)34年0.030
鉄筋コンクリート(RC)47年0.022

計算例:建物価格2,000万円・RC造(耐用年数47年)の場合
年間減価償却費 = 2,000万円 × 0.022 = 44万円を毎年経費計上できます。

「築古の木造アパート」が節税目的で好まれる理由は、耐用年数が短い(22年)ため短期間で大きな減価償却費を計上できるからです。ただし耐用年数超過の中古物件は「残存耐用年数 × 1.2」で計算が変わります。

経費として認められる費用一覧

  • 減価償却費(建物・設備)
  • ローンの利息部分(元本は不可)
  • 管理委託手数料
  • 修繕費(資本的支出でなく修繕維持の範囲)
  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険・地震保険の保険料
  • 管理費・修繕積立金(区分マンションの場合)
  • 交通費(物件確認・管理会社訪問等の実費)
  • 通信費(投資に関係する部分を按分)
  • 税理士報酬(不動産所得の申告に関するもの)
不動産投資の減価償却・節税効果を徹底解説【2026年版】|確定申告・経費計上・損益通算の仕組みを宅建士が説明

節税目的の投資の落とし穴

「節税になる」という言葉に乗せられて不動産を購入する方が後を絶ちません。しかし以下の点に注意が必要です。

  • 節税は「税金を先送り」するもの:売却時に減価償却分が利益として課税される(譲渡所得税)
  • 収益が出なければ本末転倒:節税のためだけに赤字物件を持ち続けるのは損失の積み上げ
  • 出口(売却)を見据えた計画が必要:減価償却が終わった後は税負担が増加する
  • サラリーマンの損益通算は「土地購入の借入利子」は対象外所得税法上の制限)

よくある質問(FAQ)

Q. 不動産投資の確定申告はいつまでですか?

A. 毎年2月16日〜3月15日が申告期間です。不動産所得がある場合は、給与所得だけの方でも確定申告が必要になります。

Q. 少額の赤字でも確定申告で還付が受けられますか?

A. 給与所得者で源泉徴収されている方は、不動産所得の赤字と損益通算することで所得税の還付が受けられます。住民税も翌年度の計算に反映されます。

Q. 法人化したほうが節税効果は高いですか?

A. 所得が一定水準(目安:課税所得800万円〜)を超えると法人化によるメリットが大きくなります。法人税率が個人の所得税率より低くなる場合があるためです。ただし法人設立・維持コストもかかるため、税理士と相談して判断してください。

まとめ

  • 不動産所得の赤字は給与所得と損益通算でき、所得税・住民税を減らせる
  • 減価償却費が節税の核心で、構造・築年数によって計算方法が変わる
  • 節税は「税金の先送り」であり、売却時の譲渡税まで見据えた計画が重要
  • 「節税目的だけ」の投資は危険で、収益性を最優先に判断すること

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この記事の監修:ゆうぜん

不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)
現場実務の知見と、e-Gov(法令検索)国土交通省RETIOの公的データに基づき情報発信しています。

免責事項

本記事は執筆時点の法令・データに基づきますが、正確性・完全性を保証するものではありません。最終判断は必ず公的機関の最新情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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