📅 情報基準日:2026年5月現在
相続した不動産の価値はどうやって決まるのでしょうか?「市場価格と相続税評価額が違う」という事実を知らずに相続の手続きを進めると、相続税の計算を誤る可能性があります。宅建士として、相続不動産の評価の仕組みをわかりやすく解説します。
不動産の「価格」は目的によって変わる
| 価格の種類 | 概要 | 水準目安 |
|---|---|---|
| 実勢価格(市場価格) | 実際に売買が成立する価格。需要・供給で決まる | 基準値の100〜150% |
| 公示価格 | 国土交通省が毎年3月公表する標準的な価格 | 基準(100%) |
| 路線価 | 国税庁が相続税・贈与税の計算に使う価格。毎年7月公表 | 公示価格の約80% |
| 固定資産税評価額 | 市区町村が固定資産税・都市計画税の計算に使う価格 | 公示価格の約70% |
相続税の計算では、原則として路線価(土地)と固定資産税評価額×1.0(家屋)が使われます。

土地の相続税評価の計算方法
路線価方式(市街地の土地)
路線価が設定されている地域では:
評価額 = 路線価(円/㎡)× 面積(㎡)× 各種補正率
補正率には「奥行価格補正・不整形地補正・間口狭小補正」などがあり、土地の形状・条件によって評価を下げることができます。
倍率方式(郊外・農地等)
路線価が設定されていない地域では:
評価額 = 固定資産税評価額 × 倍率(国税局が定める)
評価を下げる主な補正・特例
小規模宅地等の特例(最重要)
被相続人が住んでいた自宅の土地(330㎡まで)を配偶者または同居の子供が相続した場合、評価額を80%減できます。1億円の土地が2,000万円の評価になる強力な特例です(租税特別措置法第69条の4)。
| 区分 | 限度面積 | 減額割合 | 主な要件 |
|---|---|---|---|
| 特定居住用宅地等 | 330㎡ | 80%減 | 配偶者または同居の子が相続・申告期限まで保有・居住 |
| 特定事業用宅地等 | 400㎡ | 80%減 | 被相続人の事業用土地を事業継続者が相続 |
| 貸付事業用宅地等 | 200㎡ | 50%減 | 被相続人が賃貸していた土地を相続・賃貸を継続 |

マンションの相続税評価(2024年改正)
2024年1月1日以降の相続から、マンション(区分所有建物)の相続税評価方法が改正されました。改正前は市場価格の大幅下回る評価が可能でしたが、改正後は市場価格の60%以上になるよう評価額が引き上げられています。
改正のポイント:路線価・固定資産税評価額が実際の市場価格に比べて著しく低い高層マンション等に対し、「区分所有補正率」を乗じて評価額を是正する仕組みが導入されました。マンション節税スキームへの対応措置です。
よくある質問(FAQ)
Q. 路線価はどこで調べられますか?
A. 国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」ウェブサイトで無料で確認できます。毎年7月初旬に更新されます。
Q. 相続税の申告は自分でできますか?
A. 相続財産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下であれば申告不要です。超える場合は税理士への依頼を強くお勧めします。不動産の評価は複雑で、専門家でなければ適切な評価減を見落とすケースが多いためです。
Q. 相続税の申告・納税期限はいつですか?
A. 被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内です(相続税法第27条)。期限を過ぎると延滞税・加算税が発生します。
まとめ
- 相続税評価額は路線価(土地)・固定資産税評価額(建物)が基本で、市場価格より低い
- 小規模宅地等の特例(最大80%減)は相続税を大幅に下げる最重要の特例
- マンション評価は2024年改正で市場価格の60%以上に是正された
- 相続税の申告期限は死亡を知った日の翌日から10ヶ月。税理士への早期相談が重要
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