📅 情報基準日:2026年4月17日
マンションに暴力団関係者が居住している場合、管理組合はどのような手段を取れるか——区分所有法59条の競売請求という強力な手段と、その要件を判例から学びます。
区分所有法59条:競売請求
区分所有法59条は「区分所有者が共同の利益に反する行為をし、又はその行為をするおそれがある場合において、他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもって、当該区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる」と定めています。

競売請求の要件
- 共同の利益に反する行為:他の区分所有者の共同生活に著しい障害を与えていること
- 他の方法では困難:使用禁止請求(57条)など軽い手段を尽くしても解決できない
- 集会の特別多数決議:区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成
暴力団関係者への適用
暴力団関係者が居住しているだけで「共同の利益に反する行為」に該当するかについて、裁判所は具体的な妨害行為・住民への脅迫・威圧的言動など実害の立証を求める傾向があります。

ただし、マンション管理規約に「暴力団関係者への使用禁止」規定を設けることは有効とされており(東京地裁平成20年2月28日判決等)、規約違反として使用禁止請求(区分所有法57条)の対象になります。
暴力団排除条項の実務
近年、多くのマンション管理規約に「反社会的勢力排除条項」が追加されています。管理規約への追加は区分所有法31条の規約変更手続き(4分の3以上の賛成)が必要ですが、一度追加すれば強力な排除手段になります。
国土交通省の標準管理規約(2016年改正)にも暴力団排除条項の参考規定が盛り込まれています。
試験対策のポイント
- 競売請求(59条)の決議要件:4分の3以上(特別多数決議)
- 使用禁止請求(57条)の決議要件:4分の3以上(こちらも特別多数)
- 占有者に対する引渡し請求(60条)も可能
- 競売請求は「他の方法では困難」という補充性の要件がある
よくある質問(FAQ)
Q. 競売請求が認められれば確実に退去させられる?
A. 競売請求が認められ競売が実施されれば区分所有権は移転します。ただし競売の買受人が同様の使い方をする可能性があります。占有者に対しては別途引渡し命令等が必要です。
Q. 暴力団関係者ではないが生活騒音・ゴミ問題が激しい場合も59条を使える?
A. 使えます。「共同の利益に反する行為」は暴力団に限らず、迷惑行為・生活妨害全般が対象です。ただし「著しい障害」の立証と他の方法(注意・使用禁止請求)を尽くす必要があります。
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免責事項
本記事は執筆時点の法令・判例に基づき作成しています。判例の解釈・適用は個々の事案により異なります。法的判断については専門家にご相談ください。
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