表面利回りと実質利回りの計算方法:不動産投資の収益性を正確に把握する

目次

利回りとは何か

利回りとは、投資額に対する収益の割合を示す指標です。不動産投資では「表面利回り」と「実質利回り」の2種類が頻繁に使われますが、この2つを混同すると収益性の判断を誤ることになります。

不動産投資家として物件を選別してきた経験から言えば、利回りの数字だけで物件を判断するのは危険です。何の利回りなのかを正確に理解した上で比較することが重要です。

表面利回り(グロス利回り)の計算式

表面利回り(%)= 年間賃料収入(満室想定) ÷ 物件価格 × 100

計算例

物件価格:5,000万円、月額家賃:8室×5万円=40万円(年間480万円)

表面利回り = 480万円 ÷ 5,000万円 × 100 = 9.6%

表面利回りは計算が簡単で、物件広告に記載される数字はほぼ全てこの表面利回りです。ただし空室・諸コストを含まないため、実際の収益性を反映していません。

実質利回り(ネット利回り)の計算式

実質利回り(%)=(年間賃料収入 − 年間経費) ÷(物件価格 + 取得諸費用) × 100

年間経費の内訳

  • 固定資産税・都市計画税
  • 管理会社への管理委託費(家賃の5〜10%)
  • 修繕費・修繕積立
  • 火災保険料・地震保険料
  • 空室損失(空室率10〜20%を見込む)
  • 広告費(入居者募集)

計算例

年間賃料収入:480万円、空室損失(15%):72万円、管理費(7%):33.6万円、固定資産税:30万円、修繕費:24万円、保険料:6万円、取得諸費用:300万円

実質年間収入:480万円 − 72万円 − 33.6万円 − 30万円 − 24万円 − 6万円 = 314.4万円

実質利回り = 314.4万円 ÷(5,000万円 + 300万円)× 100 = 約5.9%

表面利回り9.6%が実質利回り約5.9%に下がることがわかります。

表面利回りと実質利回りの比較

項目表面利回り実質利回り
使用するデータ満室想定賃料・物件価格実質収入・実際コスト・取得費用
計算の手間簡単やや複雑
広告への掲載ほぼ全て表面利回り掲載稀
収益性の正確さ低い(楽観的)高い(実態に近い)

地域別の利回り目安

エリア表面利回り目安実質利回り目安
東京23区4〜6%2〜4%
大阪・名古屋5〜8%3〜5%
地方政令都市7〜10%4〜7%
地方(人口減少地域)10〜15%以上実質赤字リスクあり

ROI(投資収益率)とCCR(自己資金収益率)

さらに精度の高い分析指標として以下があります:

  • ROI(Return on Investment):投資総額(物件価格+取得費用)に対するキャッシュフローの割合
  • CCR(Cash on Cash Return):自己資金に対するキャッシュフローの割合(レバレッジ効果を加味)

例えば自己資金1,000万円で物件を取得し、年間ローン返済後のキャッシュフローが100万円なら、CCR=10%です。

利回りは物件の第一スクリーニングに使うものです。表面利回りで絞り込み、実質利回り・キャッシュフロー・CCRで詳細分析する流れで投資判断の精度を高めてください。

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【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。

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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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