不動産の相続放棄【手続き・期限・放棄後の管理責任と注意点2026年版】

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不動産の相続放棄とは

相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の財産・債務を一切引き継がない意思表示を、家庭裁判所に申述する手続きです。不動産だけを選んで放棄することはできず、すべての財産・債務が放棄対象となります。

相続放棄が有効な場面

  • 被相続人の借金が財産を上回っている(債務超過)
  • 価値のない・管理負担の大きい不動産(山林・農地・過疎地の土地)を引き継ぎたくない
  • 共有による権利関係の複雑化を避けたい
  • 他の相続人に財産をまとめて引き継がせたい

相続放棄の手続きと期限

  • 申述先:被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
  • 期限:「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3ヶ月以内
  • 必要書類:相続放棄申述書・被相続人の戸籍謄本・申述人の住民票など
  • 費用:収入印紙800円+郵便切手代(裁判所による)

3ヶ月を過ぎた場合の対処

3ヶ月を過ぎていても、「相続財産の存在を知らなかった」「財産の状況が把握できなかった」などの正当な事情がある場合、裁判所が期間の起算点を延長して認めることがあります。司法書士・弁護士に相談して申述を試みることができます。

放棄後の不動産管理責任

相続放棄をしても、次に管理すべき相続人(または相続財産管理人)が不動産の管理を引き継ぐまでの間、放棄した相続人は「現に占有している」場合に管理義務を負うことがあります(民法940条)。2023年の民法改正で「相続放棄した者の義務」が明確化されました。

相続土地国庫帰属制度との違い

2023年4月に施行された「相続土地国庫帰属制度」は、相続した不要な土地を国に引き渡せる制度です。相続放棄と異なり、他の財産は引き継いだまま土地だけを国庫に帰属させることができます。負担金(10年分の管理費相当)が必要で、建物のある土地・一定の条件を満たさない土地は対象外です。

まとめ

不動産の相続放棄は3ヶ月以内の家庭裁判所への申述が原則です。放棄後も管理義務が残るケースがあるため注意が必要です。不要な土地だけを手放したい場合は「相続土地国庫帰属制度」も選択肢に入れ、司法書士・弁護士に早めに相談しましょう。


【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。

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この記事を書いた人

宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士合格。現在はサラリーマン兼大家業に従事。

不動産資格四冠全て合格した見識、さらに国交省やe-Govの最新統計データを基に情報発信中。

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