※本記事の情報基準日:2026年5月
「不動産投資は節税になる」という話を聞いたことがある方は多いと思います。確かに節税効果はありますが、仕組みを正しく理解しないと「節税したつもりが将来大きな税負担になる」落とし穴にはまります。宅建士・不動産投資家として実践してきた経験から、節税の仕組みと注意点を解説します。
減価償却とは
不動産の建物部分は「減価償却資産」として、法定耐用年数にわたって毎年経費に計上できます。土地は減価しないため減価償却の対象外です。
| 構造 | 法定耐用年数 | 年間償却率(定額法) |
|---|---|---|
| 木造 | 22年 | 0.046 |
| 軽量鉄骨(骨格材厚3mm以下) | 19年 | 0.053 |
| 重量鉄骨(骨格材厚4mm超) | 34年 | 0.030 |
| 鉄筋コンクリート(RC) | 47年 | 0.022 |
例:建物価格2,000万円の木造アパートなら、年間減価償却費 = 2,000万円 × 0.046 = 92万円の経費計上が可能です。

損益通算で給与所得税を減らす仕組み
不動産所得が赤字になった場合、給与所得と損益通算して所得税・住民税を節税できます。
- 不動産所得の赤字 = 家賃収入 − 経費(減価償却・ローン利息・管理費等)がマイナス
- 給与所得500万円の人が不動産所得▲100万円なら、課税所得は400万円になる
- 累進税率(所得税)が高い高収入者ほど節税効果が大きい(所得税率33%なら年間33万円の節税)
注意点:土地取得に要したローン利息は損益通算に使えない(土地の取得利息は経費計上が制限されています。建物に対するローン利息のみ経費計上可能)
節税の「落とし穴」:減価償却後に課税される
不動産の節税は「課税の繰り延べ」に過ぎません。減価償却で経費計上した分は、物件を売却したときに「譲渡所得税」として課税されます。
- 売却時の取得費 = 購入価格 − 累積減価償却額(帳簿価額)
- 減価償却を多く取るほど帳簿価額が下がり、売却益(課税対象)が大きくなる
- 短期(5年以内)売却なら譲渡税率39.63%がかかるため、節税分がほぼ消える可能性がある

法人化のメリットと検討すべきタイミング
- 法人税率 vs 個人所得税率:法人税率は実効税率で約25〜30%。個人の最高税率(所得税45%+住民税10%)より低いため、課税所得が高い人は法人化が有利
- 法人化のメリット:役員報酬で所得を分散できる・経費の範囲が広がる・不動産の相続対策に活用できる
- 法人化のデメリット:設立費用(25〜30万円)・毎年の法人住民税均等割(7万円〜)・会計・税務申告の手間が増える
- 法人化を検討するタイミング:不動産所得が年間500万円を超えてきたとき・物件数を増やしていく意向があるとき・相続対策を本格的に始めたいとき
節税は目的ではなく手段です。節税効果だけで購入判断をせず、「節税後のキャッシュフロー・出口時の税負担込みで総合的に利益が出るか」を常に確認してください。
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【監修者】ゆうぜん|不動産四冠ホルダー(宅建士・管理業務主任者・マンション管理士・賃貸不動産経営管理士)。自ら不動産投資・売却・管理を経験した実務家として、正確で実践的な情報をお届けします。※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律相談・投資助言ではありません。
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